市況 2月8日
投資被害について
7日のニューヨーク市場は下落。
ダウ平均は19.42ドル安の24893.35、ナスダックは63.90ポイント安の7051.98で取引を終了した。
連日の荒い値動きが一服し、買い戻しが先行。その後、米上院指導部が軍事費などの財政支出を大幅に増加させた2年にわたる予算案に合意したことで長期金利が再び上昇した。投資家心理の悪化を受けて上げ幅を縮小、その後は小動きとなるも引けにかけて下落した。
ニューヨーク原油先物3月限は大幅続落、原油3月限終値は61.79ドル、マイナス1.60ドル。
原油、ガソリン在庫の増加、米長期金利の上昇、主要通貨に対するドル高を意識して原油先物の上値は一段と重くなった。米国株の不安定な動きも売り材料となったようだ。
EIA週報で米国の原油輸入量は日量800万バレル前後で推移しており、米国が原油の輸入国であることに今後も変わりはないものの、米原油生産量は産油大国であるサウジアラビアやロシアと肩を並べる水準となっている。EIA月報によると、米原油生産量は今年10-12月期に日量1100万バレル超へと拡大する見通し。
シェールオイルの増産が背景。石油輸出国機構やロシアを中心とした協調減産は奏功しているものの、米国の増産が原油価格の回復傾向や、世界的な過剰在庫の減少基調を不透明にしている。
EIA週報のほか、ドル高も圧迫要因。先月に2014年12月以来の安値圏まで下落したドルインデックスは戻りを試している。米国のインフレ率回復や利上げペースの加速が意識されている。
時間外取引で3月限は堅調に推移。米石油協会が発表した米週間石油在庫統計で、原油在庫は予想外に減少し、64.18ドルまで上昇した。ただ、その後は上げ幅を削り、通常取引開始前にはマイナス転換した。EIA統計の発表を控えて一時的にプラス圏に浮上したが、発表後は売りが強まり61.25ドルまで下落。
ニューヨーク金先物4月限は大幅続落、金4月限終値は1314.60ドル、マイナス14.90ドル。
米長期金利の上昇や主要通貨に対してドル高が進んだことが嫌気された。米国株は不安定な動きとなったが、株安を意識した安全逃避的な買いは縮小した。
ダウ平均先物が時間外取引で下落し、ドル高が一服したが、日中取引で上昇に転じ、ドル高・株高が金の圧迫要因になった。また米共和・民主両党の指導部は、上院で今後2年間の予算方針を巡り超党派で合意した。米経済の先行きに対する楽観的な見方が出てリスク選好の動きが出ると、ドル高が続くことになりそうだ。