先物情報、先物被害 3月2日
投資被害について
ニューヨークダウは420ドル安
1日の米国株式相場は下落。ダウ平均は420.22ドル安の24608.98、ナスダックは92.45ポイント安の7180.56で取引を終了した。
朝方はパウエルFRB議長の2度目の議会証言を見極めたいとの思惑から前日終値を挟んでもみ合う展開となった。しかしながら、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに商務省の提言を上回る25%と10%の輸入関税を賦課する計画を明らかにし、保護貿易への懸念から大幅下落となった。ダウは、一時600ドルに迫る下落となったが、引けにかけてやや下げ幅を縮小した。
1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円26銭で引けた。
米週次新規失業保険件数がほぼ50年ぶり低水準となったほか、2月ISM製造業景況指数も2004年5月来で最高に達しドル買いが一時優勢となった。しかし、トランプ米大統領が、鉄鋼やアルミニウムに大幅な追加関税を課す計画を発表すると、貿易戦争が激化するとの警戒感からドル売り、リスク回避の円買いに拍車がかかった。
ニューヨーク原油先物4月限は続落、原油4月限終値は60.99ドル、マイナス0.65ドル。
供給増加への警戒感が高まっていること、米国株の続落、金利先高観などが原油先物の反発を抑制している。原油在庫は短期的にさらに増える可能性があることや、イラクがキルクーク産の原油輸出を近く再開するとの観測も引き続き材料視されたようだ。
前日に発表された米エネルギー情報局の週報で、原油在庫が増加基調を維持したことが引き続き重しとなった。夏場の需要期に向けた定期改修シーズンで、製油所の原油消費量が減少していることから、原油在庫が積み上がりやすい。シェールオイルの増産を背景に、米原油生産量の拡大が続いていることも圧迫要因。週次の米原油生産量は1983年に統計が開始されてからの最高水準を更新している。
2月の世界同時株安は沈静化しているとはいえ、米株式市場は従来の上昇基調に回帰できておらず、原油市場の重しとなっている。株高による消費刺激効果が後退すると、石油需要にも響く。ただ、2月の米ISM製造業景気指数は60.8となり、2004年5月以来の高水準を記録した。金利が上昇傾向にあるものの、製造業の企業心理は依然として良好。減税の影響が表面化しつつある。
ドルインデックスが1月18日以来の高値を更新したことは一時的に原油を圧迫したものの、ドル買いは続かず。ドル売りが優勢となったことで、原油は安値から離れた。来週の欧州中央銀行理事会を控えてユーロ相場が思惑含みとなっており、間接的にドル相場を揺さぶっている。
ニューヨーク金先物4月限は軟調推移、金4月限終値は1305.20ドル、マイナス12.70ドル。
米国金利の先高観は後退していないことから、安全逃避的な金買いは引き続き縮小した。ただ、米国株の大幅続落を受けて安全逃避的な買いが入っており、通常取引終了後に1322.30ドルまで戻している。
米連邦準備理事会の利上げ見通しや好調な米経済指標を受けてドル高に振れたことが圧迫要因になった。ただトランプ米大統領の輸入制限発動に対し、欧州連合が対抗措置を取るとされ、通商問題に対する懸念からユーロ高に転じると、金は下げ一服となった。