先物被害、先物取引被害 5月16日
投資被害について
ニューヨークダウは193ドル安、長期金利の上昇が重石に
15日の米国株式相場は下落。ダウ平均は193.00ドル安の24706.41、ナスダックは59.69ポイント安の7351.63で取引を終了した。
4月小売売上高が前月から増加し米国債利回りが2011年以来の高水準に到達すると、企業収益や景気への悪影響が懸念され、終日軟調推移となった。本日より開始される米中通商会議の動向を見極めたいとの思惑や、北朝鮮が米軍の軍事演習を理由に韓国との会合を欠席する旨が伝わったこと、ガザ地区でのイスラエル軍の攻撃に対して各国から非難が相次いだことなども相場の重しとなった。
15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円36銭で引けた。米4月小売売上高の結果を受けて4-6月期米国経済の消費や成長期待が広がる中、追加利上げを織り込み米債利回りは7年ぶり高水準に達した。米債利回りの上昇で、ドル買いに拍車がかかった。
ニューヨーク原油先物6月限は続伸、原油6月限終値は71.31ドル、プラス0.35ドル。
米国の対イラン制裁の再開による同国の減産が引き続き警戒されている。先週、トランプ米大統領はイランの核合意を制限する合意からの離脱を宣言し、対イラン制裁の再開を決定した。イランに関与する企業は制裁の対象となることから、イランは経済的に孤立する。経済は縮小し、原油生産量は不安定化する見通し。景気が低迷し国民の不満が高まることによる反米・反イスラエル感情の高まりも警戒されている。
経済危機のベネズエラで原油生産量が減少を続けていることも支援要因。今週末のベネズエラ大統領選を経ても、現職の独裁的なマドゥロ大統領が居座り、経済危機は一段と悪化していく見通し。米石油大手コノコフィリップスによるベネズエラ国営石油会社の資産差し押さえは同国の外貨収入をさらに圧迫する。
株安やドル高など関連市場の動向は値動きを左右していない。先週からドルインデックスは上げ一服となっていたが、今週に入って再び騰勢を強めており、年初来高値を更新している。
時間外取引で6月限は売りに押される場面があったものの、堅調に推移。通常取引開始を控えて上値を伸ばすと、71.92ドルまで年初来高値をわずかに塗り替えた。ただ、通常取引開始後は売りが強まり、70.42ドルまで下げに転じた。前日比プラス圏に戻して引けたものの、上値は限定的だった。
ニューヨーク金先物6月限は大幅続落、金6月限終値は1290.30ドル、マイナス27.90ドル。
金6月限は大幅続落。時間外取引では米長期金利上昇によるドル高を受けて軟調と なった。日中取引では、米小売売上高やニューヨーク連銀製造業業況指数によるドル高進行を受けて一段安となり、2017年12月以来の安値1288.2ドルを付けた。
米10年債利回りが3%台を回復したことや、好調な米経済指標を受けてドル高が進んだことが圧迫要因になった。米株価が急落したが、金は1300ドルの節目を割り込み、テクニカル要因の売りが出たことを受けて売り優勢となった。