8月22日
投資被害について
ニューヨークダウは63ドル高、米中交渉に楽観的な見方が広がる
米国株式相場は上昇。ダウ平均は63.60ドル高の25822.29、ナスダックは38.17ポイント高の7859.17で取引を終了した。
米中貿易摩擦への懸念が後退したほか、複数の主要四半期決算が好感され、買いが先行。原油相場の上昇が好感されたものの、明日のFOMC議事録を見極めたいとの思惑から緩やかな上昇となった。S&P500は最高値を更新した。
20日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円07銭で引けた。
トランプ米大統領は、米連邦準備制度理事会(FRB)が実施した利上げやパウエルFRB議長を批判し、欧州や中国は通貨操作をしていると発言したとの報道を受けて、トランプ米政権はドル安を望んでいるとの憶測が広がったことから、ドル売りに拍車がかかった。
ニューヨーク原油先物10月限は続伸、原油10月限終値は65.42ドル、プラス0.21ドル。
11月に米国が石油を含めた対イラン制裁の第2弾を発動させることから、供給不足が懸念されている。イランの生産量はすでに減少している。米国は対イラン制裁の一部緩和を検討し、イランの原油輸出をゼロにする方針を調整可能であることを示唆している一方で、イランは米国が一方的に要求する核開発の制限強化などを受け入れるような態度は示していない。
今週の米中通商協議に対する期待感も相場を押し上げている。米国と中国の石油需要は世界全体の約3割を占めることから、米中貿易戦争の不透明感は需要見通しを変動させている。ただ、トランプ米大統領は協議に「多くは期待していない」と述べ、わがままになった中国との貿易摩擦の解消に期限はなく、「長期的な視野を持っている」との認識を示している。
ロイター通信が関係者の発言として伝えたところによると、今月のイラク南部からの原油輸出は過去最高水準を更新する見通し。8月19日までの輸出量は日量370万バレルと、7月の354万バレルを上回っている。石油輸出国機構加盟国やロシアなどはイランやベネズエラの減産を穴埋めするため増産している。
ニューヨーク金先物12月限は続伸、金12月限終値は1200.00ドル、プラス5.40ドル。
金12月限は、続伸。時間外取引では1197.2~1203.1ドルのレンジで推移、前日比4.6ドル高の1199.2ドルとなった。12月限は、高寄りしたのち、米大統領の利上げ批判によるドル安を受けて堅調となり、14日以来の高値1203.1ドルを付けた。
立会時間は、1200ドル台で買いが続かず、上げ一服となった。戻りを売られると、1194.3ドルまで下落した。ただユーロ買い戻しなどが下支えとなり、売り一巡後は1201.5ドルまで戻した。
トランプ米大統領が前日、米連邦準備理事会のパウエル議長が利上げを継続する方針であることについて「気に入らない」と述べ、ドル安に振れたことが支援要因になった。ただドル高見通しに変わりはなく、1200ドル台で買いが一巡し、上げ一服となった。また米大統領は、今週ワシントンで行われる中国との通商協議で多くの進展が得られるとはみていないと述べた。