9月11日
投資被害について
ニューヨークダウは59ドル安、対中貿易摩擦への懸念が相場の重し
米国株式相場はまちまち。ダウ平均は59.47ドル安の25857.07、ナスダックは21.62ポイント高の7924.16で取引を終了した。
米下院共和党が週内に新たな減税策を発表するとの思惑から、買いが先行したものの、米中貿易摩擦懸念が根強いほか、トランプ大統領がツイートで携帯端末のアップルに対して米国への生産移管を要求するなど、上値の重い展開となった。
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円03銭から111円25銭まで上昇し111円12銭で引けた。
英国の合意ない離脱への警戒感が後退しクロス円絡みの買いが加速したほか、良好な雇用統計を受けた米国の追加利上げ観測に、日米金利差の拡大観測を受けたドル買い・円売りが続いた。
ニューヨーク原油先物10月限は続落、原油10月限終値は67.54ドル、マイナス0.21ドル。
期近の主要限月は、前週末からの米中の貿易戦争激化懸念に加えて、ハリケーン「フローレンス」が米国南東部に上陸見込みになり、油田の多い米ガルフではないことで、原油の供給より需要減退懸念が優勢となり圧迫された。
加えて、トランプ米大統領が原油価格の高騰を批判するなか、ペリー米エネルギー長官が今週、サウジアラビア、ロシアのエネルギー相と相次いで会談する予定であることも、今後の供給安定を連想させ、上値抑制要因となった。一方、制裁による今後のイラン産原油の供給減少懸念が根強いことで下げ幅は抑制された。
10月限は、週明けのアジアの時間帯の時間外取引から上昇し68ドル台を回復。そのあと、68.10~68.20ドル台で堅調に推移。欧州の時間帯に入ると、さらに地合いを引き締めて、この日の高値となる68.52ドルまで上昇した。しかし、米国の時間帯に入ると、それまでの騰勢が一変して、68ドル台を一気に下回り、1ドル以上急落して、67.33ドルの安値を付けた。その後は67.50ドル台まで戻している。
米ハリケーンセンターによると、ハリケーン「フローレンス」は、カテゴリー4に発達しており、13日にサウスカロライナ州、ノースカロライナ州に上陸する予定。すでに両州とバージニア州に非常事態宣言が出ている。
また、その他にも、ハリケーン「ヘレン」、「アイザック」が発生しており、今後も注意が必要になる。
ペリー米エネルギー長官は、10日にサウジアラビア、13日にロシアのエネルギー相と会談する予定。世界の三大産油国のエネルギー相が会談することになり、制裁によるイランの減産をカバーするための世界的な原油供給安定について協議されるとみられている。
ニューヨーク金先物12月限は小幅続落、金12月限終値は1199.80ドル、マイナス0.60ドル。
金12月限は、小幅続落。時間外取引では1196.7~1202.1ドルのレンジで推移、前日比2.7ドル安の1197.7ドルとなった。12月限は、高寄りしたのち、ユーロの戻りが売られたことを受けて軟調となった。
立会時間は、1196.2ドルまで下落したのち、英国の欧州連合離脱交渉に対する期待感からポンド主導でドル安に振れたことを受けて下げ一服となった。時間外取引の高値を突破すると、1203.8ドルまで戻した。
米連邦準備理事会の利上げ観測を受けてユーロの戻りが売られたが、英国の欧州連合離脱交渉でEUのバルニエ首席交渉官の前向きな発言を受けてポンド主導でドル安に転じたことが下支えとなった。