6月25日
投資被害について
ニューヨークダウ8ドル高、イランへの追加制裁発動を懸念
米国株式相場はまちまち
ダウ平均は8.41ドル高の26727.54、ナスダックは26.01ポイント安の8005.70で取引を終了した。G20首脳会議の開催を週末に控えて、米中首脳会談での貿易摩擦解消への期待が強まり、買いが先行。その後は、トランプ政権がイランへの追加経済制裁を発表し、地政学リスクへの懸念から小動きとなった。
24日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円30銭で引けた
米5月シカゴ連銀全米活動指数が予想を上回ったほか、米国株式の動向を意識してドル買い・円売りが優勢となった。その後、米中貿易協議への根強い不透明感がくすぶったほか、米国が対イラン追加制裁を発表し地政学的リスクの上昇を受けてリスク回避の円買いが観測された。米6月ダラス連銀製造業活動指数が予想外に3年ぶり低水準に落ち込んだことも嫌気されたようだ。
ニューヨーク原油先物8月限は続伸、原油8月限終値は57.90ドル、0.47ドル高
米国とイランの対立を背景に中東情勢が緊迫化していることが相場を押し上げた。先週、米国の無人偵察機がイランに撃墜されたことを受けて、米国はイランに対する追加制裁を発表している。イラン最高指導者のハメネイ師のほか、革命防衛隊の幹部8人が制裁対象に指定された。制裁対象になると米国における保有資産が凍結されるほか、米企業との取引などが禁じられる
今週、イラン国内の低濃縮ウランの貯蔵量は2015年の核合意で定められた上限を上回る見通し。約2週間後、イランは濃縮ウランの濃度上限を引き上げる方針を示している。濃度によっては、濃縮ウランは核兵器の原料となる。米国はイランに核兵器の保有は許さないと繰り返している。
米中貿易摩擦の悪化懸念は相場の上値を抑えた。今週はG20首脳会議が行われる予定で、米中首脳会談も実施される。首脳会談に先立って、米中両国は交渉団による通商協議を再開しているが、最終合意には至らないと警戒されている。
ニューヨーク金先物8月限は続伸、金8月限終値は1418.20ドル、18.10ドル高
米連邦準備理事会の利下げ観測に加え、米大統領がイランに対する追加制裁を科す大統領令に署名したことを受けて堅調となった。同国の最高指導者ハメネイ師のほかイラン精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」の幹部を制裁対象とした。また週末の米中首脳会談を控えて不透明感が出ていることも支援要因となった。