11月21日
投資被害について
ニューヨークダウ112ドル安、米中合意に悲観的な見方
米国株式相場は下落
ダウ平均は112.93ドル安の27821.09、ナスダックは43.93ポイント安の8526.73で取引を終了した。米中通商協議が年内に第一段階の合意もできない可能性が報じられ、売りが先行。米上院が可決した香港人権法案に対して中国が反発していることから先行き不透明感が強まり、軟調推移となった。米連邦公開市場委員会議事録では、多くの連銀高官が米経済の下振れリスクが高いとの認識を示し利下げに踏み切ったものの、今後は金利を維持する方針で一致したことが示された。
20日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円61銭で引けた
米連邦公開市場委員会議事要旨の発表を控え、持ち高調整的な円売りが先行後、「米中貿易協議の第1段階が年内に合意に至らない可能性がある」との一部報道を受けて円買いになった。米連邦公開市場委員会議事要旨への反応はほとんどみられなかった。
ニューヨーク原油先物は反発、原油12月限終値は57.11ドル、1.90ドル高
米エネルギー情報局の週報で原油在庫が市場予想並みに増加し、米石油協会の発表ほど増えなかったことが好感された。米油所稼働率は89.5%まで上昇し、今冬の最高水準となった。例年の傾向に沿って原油消費量は上向きつつある。留出油の在庫が一段と減少していることも支援要因。
ロシアのプーチン大統領は石油輸出国機構と生産規模の抑制で協力していくと繰り返した。来月の石油輸出国機構総会を控え、前日にロイター通信がロシアは減産規模の強化で同意する可能性は低いと伝えており、減産期間の延長だけでまとまることが意識されているが、第1段階の米中通商合意が年内に成立しない可能性があるとホワイトハウスの関係筋などから伝わっており、主要産油国の次の動きは不透明。米国で香港人権法案が成立する場合の米中の対立悪化も警戒される。米中の第1弾合意が来月15日の対中関税発動までに成立せず、石油需要の下振れ観測が強まるようだと、供給過剰が強まるリスクがある。
米国の空母エイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群がホルムズ海峡を通過し、ペルシャ湾に入っていることも相場を支えた。核合意の段階的な破棄を続けているイランをけん制する狙いがあるとみられている。
ニューヨーク金先物は反落、金12月限終値は1474.20ドル、0.10ドル安
米上院で香港人権法案が可決され、米中の通商協議に対する懸念が出たことが支援要因となったが、買い一巡後はファンド筋の手じまい売りに上値を抑えられた。ただ米下院での投票の見方が出ると、株安に振れ、金の下支え要因になった。一方、この日は米連邦公開市場委員会議事録が発表されたが、目新しい材料はなく、材料視されなかった。