12月3日
投資被害について
ニューヨークダウ268ドル安、製造業不振や米中協議への先行き不透明感を嫌気
米国株式相場は下落
ダウ平均は268.37ドル安の27783.04、ナスダックは97.48ポイント安の8567.99で取引を終了した。11月供給管理協会製造業景況指数が前月に引き続き節目となる50を割り込み、製造業の不振が示され、売りが先行。中国が米国での香港人権・民主主義法案の成立を受け、報復措置を実施したほか、トランプ大統領がブラジルとアルゼンチンに対する鉄鋼・アルミニウム関税措置を復活させる意向を示し、貿易摩擦への投資家心理の悪化から終日下落となった。
2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円97銭で引けた
トランプ米大統領がアルゼンチンやブラジル産鉄鋼に対する関税を再開する方針を示したことや、米国の11月供給管理協会製造業が予想外に悪化したことがドル売りにつながった。また、米中貿易協定がまとまらず追加関税が発動されるとの思惑が浮上し、リスク回避のドル売り・円買いが強まった。
ニューヨーク原油先物1月限は反発、原油12月限終値は55.96ドル、0.79ドル高
中国国家統計局や財新が発表した中国製造業購買担当者景気指数の低下が一巡していることが世界的な景気減速懸念を後退させ、石油需要の下振れ観測を和らげた。中国国家統計局が発表した11月の中国製造業購買担当者景気指数は、景気判断の分岐点である50を上回り、3月以来の高水準となった。中国は世界最大の原油の輸入国。
関係筋の話から石油輸出国機構の追加減産期待が高まったことも買い材料。サウジアラビアやロシアを中心とした石油輸出国機構プラスは、追加で日量40万バレル減産する可能性があるという。現行の減産規模は日量120万バレル。イラクのガドバン石油相も追加で日量40万バレル程度の減産があり得ると述べている。石油輸出国機構や石油輸出国機構プラスは今週5、6日に総会を行う。
ただ、米供給管理協会が発表した11月の製造業景気指数が弱く、4ヶ月連続で節目の50を下回ったことは米経済の減速が続くことを示唆した。第1段階の合意を視野に入れつつ、米中通商協議が不透明であることも重し。先週、米国で香港人権法が成立したことに応じて、中国は報復措置を発表している。ロス米商務長官は、合意がなければ中国からの輸入品に対する関税を予定どおり15日に引き上げる方針であると述べた。コンウェー米大統領顧問は「年内に合意するかは中国次第だ」との認識を示している。
トランプ米大統領がブラジルやアルゼンチンからの鉄鋼やアルミニウムに対する関税を復活させると発表したことも圧迫要因。米国を中心とした通商リスクは世界経済の重しとなり、石油需要の鈍化懸念を拡大させている。
ニューヨーク金先物2月限は弱含み、金2月限終値は1469.20ドル、3.50ドル安
中国の製造業購買担当者景気指数の改善を受けて景気底入れの見方が出たことが圧迫要因になった。ただ米供給管理協会製造業景況指数が弱い内容となり、米株価が下落したことを受けて下げ一服となった。