4月21日
投資被害について
ニューヨークダウ592ドル安、原油暴落や中小企業支援策の増額合意なく失望感
米国株式相場は反落
ダウ平均は592.05ドル安の23650.44ドル、ナスダックは89.41ポイント安の8560.73ポイントで取引を終了した。
中小企業支援策の追加資金を巡り民主党と共和党の協議が難航していることを嫌気して、売りが先行。ニューヨーク原油先物(5月限)が急落し歴史上初めてのマイナス圏での取引に入ると、株式相場も下げ幅を拡大する展開となった。
20日のニューヨーク外為市場でドル・円は107円62銭で引けた
米国の3月シカゴ連銀全米活動指数が2009年1月来で最大の落ち込みを見せたほか、ニューヨーク原油先物の暴落、また、中小企業支援策を巡る追加支援で依然共和・民主の合意がまとまらず米債利回りの低下を受けたドル売りやリスク回避の円買いに拍車がかかった。
ニューヨーク原油先物6月限は大幅続落、原油6月限終値は20.43ドル、4.60ドル安
最終取引日を21日に控えた5月限は受け渡し場所の備蓄能力が不足していることを背景にマイナス圏での取引となった。新型コロナウイルスによって石油消費が大幅に落ち込み、過剰な原油在庫を渡そうとする売り方が殺到したものの、受け渡し地の米オクラホマ州クッシングに十分な備蓄施設がなく、売り方が買い方に支払いを行ってまで原油を処分する未曾有の事態となった。現物の需要は消え去っている。原油は水よりも大幅に安くなった。
地上の備蓄施設が手当できない企業はタンカーを利用して在庫を保管しており、ロイター通信によると過去最大規模である1億6000万バレルの原油が海上を漂っているという。
先週、米エネルギー情報局が発表した備蓄についての週報によると、PADD2におけるオクラホマ州クッシングの備蓄能力は4月10日週ですでに69%まで利用されている。3月後半から1週間毎に7~8%の積み増しが行われており、5月初めにはクッシングの備蓄施設が満たされるリスクがある。
調査会社ゲンスケープによると、4月17日週の米オクラホマ州クッシングの在庫は前週比610万バレル増(+9%)となったもよう。
ニューヨーク金先物6月限は反発、金6月限終値は1711.20ドル、12.40ドル高
新型コロナウイルスの終息期待などが圧迫要因になったが、景気の先行き懸念が残り、押し目を買われた。ニューヨーク原油の5月限が初のマイナス価格を付けるなか、株安に振れたことが支援要因になった。