6月2日
投資被害について
ニューヨークダウ91ドル高、景気回復期待が米中対立や全米抗議デモのリスク懸念を上回る
米国株式相場は上昇
ダウ平均は91.91ドル高の25475.02ドル、ナスダックは62.18ポイント高の9552.05ポイントで取引を終了した。
中国が米国からの一部農産物輸入を停止すると報じられ、米中第1段階貿易協定が撤回されるリスクが浮上したほか、人種問題を巡る全米抗議デモが激化したことが嫌気され売り先行で寄り付いた。しかし、経済活動の一段の再開による景気回復期待が懸念を上回り、引けにかけては大きく上昇した。
1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、117円58銭で引けた
米5月供給管理協会製造業景況指数や5月製造業購買担当者景気指数改定値が予想を下回り、ドル売りが優勢となった。
ニューヨーク原油先物7月限は伸び悩み、原油7月限終値は35.44ドル、0.05ドル安
中国政府が国営企業に米国からの大豆や豚肉の輸入を停止するよう求めたと伝わったことから、第1弾の米中通商合意の履行に不透明感が高まった。中国は香港を巡る米国の態度に反発している。
ただ、石油輸出国機構加盟国が中心となった石油輸出国機構プラスが現行の減産目標である日量970万バレルを7月以降も継続する方向で協議していることが相場を支えた。来週行われる予定だったオンライン会合は今週4日に前倒しとなる見通しだが、5~6月の予定だった日量970万バレルの減産目標をどの程度維持するのかまだ調整が続けられている。
関係筋によると、ロシアは現行の減産目標の延長を1ヶ月にとどめたい一方で、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、クウェートは年末までの継続を望んでいる。ただ、予定通り減産目標を縮小することを前提としていたロシアに中東勢が譲歩し、1~2ヶ月の延長で協議がまとまるとの思惑が浮上している。
ニューヨーク金先物8月限は伸び悩み、金8月限終値は1750.30ドル、1.40ドル安
米国で白人警官による黒人男性暴行死に対する抗議活動が暴徒化し、先行き懸念が出た。ただ米株価は時間外取引で下げ一服となり、欧州時間から金の売り圧力が強まった。一方、香港の国家安全法を巡って米中が対立するなか、中国政府は国有企業に対して米国からの大豆と豚肉の輸入停止を指示した。米中の対立が続いていることは金の下支え要因である。