4月5日
投資被害について
ニューヨークダウ103ドル高、ハイテク株がけん引
米国株式市場は続伸
ダウ平均は103.61ドル高の34921.88ドル、ナスダックは271.05ポイント高の14532.55で取引を終了した。
ロシア軍によるウクライナの民間人虐殺疑惑を受け、欧米が対ロ制裁をさらに強化する姿勢を表明したため経済への影響を警戒し、寄り付き後、ダウは下落。JPモルガン銀のダイモン最高経営責任者が投資家に向けてウクライナ戦争による業績への影響や今後数年、世界経済や地政学に主要な影響を与えると警告したことも嫌気され売り圧力となった。一方、ナスダック総合指数は堅調。中国の規制当局が上場している同国ハイテク企業の監査に関し情報を開示することに前向きな姿勢を見せたため非上場が回避されるとの期待感から買い戻しがさらに加速したため、連れて国内ハイテクセクターも一段高となり相場全体を押し上げ、ダウも上昇に転じた。
4日のニューヨーク外為市場でドル・円は、122円75銭で引けた
米2月耐久財受注改定値や2月製造業受注が1月からマイナスに落ち込んだものの予想を上回ったほか、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が5月連邦公開市場委員会での0.5%ポイントの利上げの確率が高まったとの見解を示すなど、連邦準備制度理事会の引き締め加速の思惑に金利上昇に伴うドル買いが強まった。露軍のウクライナでの民間人虐殺疑惑を受けた欧米の対ロ制裁強化で停戦も遠のき、有事のドル買いも下支えとなった可能性がある。
ニューヨーク原油先物5月限は反発、原油5月限終値は103.28ドル、4.01ドル高
ウクライナ首都の郊外ブチャで多数の民間人の遺体が見つかったことからロシアに対する批判が一段と強まり、追加制裁の機運が高まった。欧州連合は週内でエネルギーを軸とした追加制裁を取りまとめるとみられている。原油や天然ガスの禁輸となれば、ロシア産以外のエネルギーに対する需要が一段と高まり、供給がひっ迫する見通し。ただ、欧州各国が脱ロシアに踏み切るとしても、エネルギーの代替供給先を確保できる見通しはない。
米国など国際エネルギー機関加盟国が協調して石油備蓄を再放出する予定だが、ロシアに対する追加制裁観測が高まったことから売りは続かず。追加制裁によって、備蓄放出の効果が限定される見通し。
中国で新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大が止まらず、都市封鎖の解除時期が不透明となっていることは重し。オミクロン変異株の新たな亜型も見つかっている。清明節の連休における燃料需要は下振れが避けられない見通し。
イエメンで紛争を続けるサウジアラビア主導の連合軍と、イランが支援する武装勢力フーシ派は2ヶ月間の停戦で合意した。断食月に合わせて先週末から停戦が始まった。双方が合意するならば停戦期間の延長も可能。
ニューヨーク金先物6月限は反発、金6月限終値は1934.00ドル、10.30ドル高
ウクライナの首都キーウ近郊の複数の地域で計410人の民間人の遺体が発見された。欧米諸国がロシアの戦争犯罪を非難し、追加制裁を課す方針を示した。欧州連合はロシア産エネルギー輸入の全面的な禁止を含め、全ての選択肢が検討している。ただ欧州連合加盟国に大規模な経済的打撃が及ぶとの見方も示された。