6月23日
投資被害について
ニューヨークダウ47ドル安、根強い景気後退懸念が重し
米国株式市場は反落
ダウ平均は47.12ドル安の30483.13ドル、ナスダックは16.22ポイント安の11053.08で取引を終了した。
連邦準備制度理事会のパウエル議長の議会証言を控えた警戒感に売りが先行し、寄り付き後、下落。議長は上院銀行委員会証言でインフレ鈍化を強く公約すると繰り返すと同時に大幅な金融引き締めによる景気後退の可能性を否定しなかったため、利上げが想定程速やかに進まないとの思惑も浮上し買戻しが強まり、上昇に転じた。さらに、バイデン大統領がインフレ対処の一環としてガソリン税免除を議会に提案したため一段と買われた。同時に、景気後退懸念も根強く上値を抑制し、主要株式指数は小幅安で終了。
22日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円24銭で引けた
米国経済が景気後退入りするとの懸念が再燃し、一時ドル売り、リスク回避の円買いが優勢となった。連邦準備制度理事会のパウエル議長は上院銀行委員会証言でインフレを2%に戻すことを強く公約すると再確認したと同時に、大規模な金融引き締めが原因で経済が景気後退に陥る可能性を意図しないが、もちろん、あり得ると答えた。また、軟着陸を目指すが、非常に困難となると、認めた。このため、一部では、想定されているほど、利上げが速やかに進まないとの見方も浮上し、ドルの上値を抑えた。ただ、現状で景気後退確率が上昇しているとは思わないと言及したためドル買いが再燃。また、バイデン米大統領がガソリン税免除を議会に正式提案したことなどが好感され、リスク選好の円売りも再開した。
ニューヨーク原油先物8月限は反落、原油8月限終値は106.19ドル、3.33ドル安
インフレ高進を背景に米国など主要国の景気後退懸念が高まっていることが相場を圧迫した。高値で石油製品需要は減退しているが、さらにしぼむリスクが意識されている。パウエル米連邦準備制度理事会議長は議会証言で、米連邦公開市場委員会で大幅な利上げを続けることを示唆しており、いかなる利上げ幅も排除しないと語った。また、景気後退の可能性が高まったとは思わないとしながらも、目標とするソフトランディングは厳しい課題であるとの認識を示した。
バイデン米大統領が議会に対して1ガロン=18.4セントの連邦ガソリン税の一時引き下げを要請したことは支援要因。実現すれば夏場の需要を支える可能性があるが、実現は不透明。
改質ガソリンなど石油製品が続伸したことは下支え要因。ドライブシーズン入りしている米国で、ガソリン小売価格の上昇が一服していることは消費を下支えするとみられている。脱炭素社会の実現に向けて精製能力の減少が続くリスクがあることも製品相場を支えた。
ニューヨーク金先物8月限はもみ合い、金8月限終値は1838.40ドル、0.40ドル安
パウエル米連邦準備制度理事会議長は、上院銀行委員会の公聴会で、米連邦準備制度理事会は40年ぶりの高水準で推移するインフレを引き下げることに「強くコミット」しており、「そのために迅速に」行動しているとの見解を示した。また景気後退リスクがあっても物価抑制に全力を傾けているとした。