㈱エスコンアセットマネジメントに対する行政処分について
令和4年7月15日
引用 金融庁
株式会社エスコンアセットマネジメント(東京都港区、法人番号 2010001162142。以下「当社」という。)に対する検査の結果、法令違反が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(令和4年6月17日付)
当該勧告を受けたことから、本日、当社に対し、下記2.(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記2.(2)については同法第51条の規定に基づき、行政処分を行った。
1.勧告の事実関係
投資法人のために忠実に投資運用業を行っていない状況
当社は、エスコンジャパンリート投資法人(東京都港区、法人番号6010005025721。以下「本投資法人」という。)との間で締結した資産の運用に係る委託契約に基づき行っている本投資法人の資産の運用において、当社の親会社である株式会社日本エスコン(東京都港区、法人番号8010001067609。以下「親会社」という。)からの取得となる不動産の鑑定評価を依頼するに際し、以下のとおり、適切な利益相反管理の観点から問題となる、不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけを行い、また、不適切な不動産鑑定業者選定プロセスをとっていた。
(1)不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけ
当社は、親会社等の利害関係者が保有する不動産を本投資法人に取得させる際には、第三者である不動産鑑定業者に対して、取得させようとする不動産の鑑定評価を依頼し、算定された鑑定評価額を上限として当該不動産の取得価格を決定している。しかしながら、当社は、不動産鑑定業者から提示された鑑定評価額に係る中間報告又は概算額が親会社の売却希望価格に満たなかった3物件の不動産について、親会社の売却希望価格を優先し、親会社の売却希望価格を伝達するなどしたうえで、鑑定評価額が当該売却希望価格を上回るものとなるよう、算定を依頼した不動産鑑定業者に対し、鑑定評価額を引き上げるための働きかけを行っていた。こうした行為は、不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけであると認められる。
(2)不適切な不動産鑑定業者選定プロセス
当社は、親会社からの取得となる複数物件の不動産鑑定評価を依頼する際、親会社の売却希望価格を上回る鑑定評価額を得ることを企図して、複数の不動産鑑定業者から不動産鑑定評価に係る概算額を聴取し、そのうち最も高い概算額を提示した不動産鑑定業者(以下「当該不動産鑑定業者」という。)の鑑定報酬額が、概算額を聴取した他の不動産鑑定業者と比して最も廉価になるよう、当該不動産鑑定業者と交渉していた。さらに、当社は、当該不動産鑑定業者による概算額が最も高かったことを伏せたうえで、当該不動産鑑定業者の鑑定報酬額が最も廉価であることを理由に、当該不動産鑑定業者を鑑定評価の依頼先として選定していた。これは、親会社の売却希望価格で本投資法人に取得させることを最優先とした不適切な不動産鑑定業者選定プロセスであると認められる。
このように、当社の利益相反管理態勢は著しく不十分であり、当社は本投資法人のために忠実に投資運用業を行っていないことから、金融商品取引法第42条第1項に定める「忠実義務」に違反するものと認められる。
2.行政処分の内容
(1)業務停止命令
新たな資産運用委託契約の締結禁止及び不動産(不動産信託受益権を含む)の取得に係る運用指図禁止(令和4年7月15日から令和4年10月14日までの間)
(2)業務改善命令
1)本件に関する投資法人の投資主に対し、今回の行政処分の内容を十分に説明し、適切な対応を行うこと。
2)投資法人資産運用会社として、公正かつ適切な業務運営を実現するため、法令等遵守に係る経営姿勢の明確化、経営陣による責任ある法令等遵守態勢及び内部管理態勢の構築、並びに、これらを着実に実現するための業務運営方法を見直すこと。
3)本件発生原因を究明したうえで、投資運用業に係る意思決定の妥当性を検証するための社内プロセスの明確化など、利益相反管理について十分な態勢を構築することを含め、具体的な再発防止策を策定すること。
4)今般の検査結果を踏まえ、経営陣を含めた責任の所在の明確化を図ること。
5)上記1)から4)までの対応状況について、令和4年8月15日までに書面で報告するとともに、その全てが 完了するまでの間、随時書面で報告すること。
㈱エスコンアセットマネジメントに対する検査結果に基づく勧告について
令和4年6月17日
引用 証券取引等監視委員会
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会が株式会社エスコンアセットマネジメント(東京都港区、法人番号2010001162142、代表取締役社長 鍵山 武治(注1)、資本金1億円、常勤役職員27名、投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。
(注1)令和4年3月24日、前代表取締役社長 大森 利 氏が退任し、同日付で代表取締役社長に就任。
2.事実関係
○ 投資法人のために忠実に投資運用業を行っていない状況
株式会社エスコンアセットマネジメント(以下「当社」という。)は、エスコンジャパンリート投資法人(東京都港区、法人番号6010005025721、執行役員 笹木 集(当社のREIT運用部を兼職)(注2)、以下「本投資法人」という。)との間で締結した資産の運用に係る委託契約に基づき行っている本投資法人の資産の運用において、当社の親会社である株式会社日本エスコン(東京都港区、法人番号8010001067609、代表取締役社長 伊藤 貴俊、以下「親会社」という。)からの取得となる不動産の鑑定評価を依頼するに際し、以下のとおり、適切な利益相反管理の観点から問題となる、不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけを行い、また、不適切な不動産鑑定業者選定プロセスをとっていた。
(注2)令和3年10月22日、前執行役員 大森 利 氏が退任し、同日付で執行役員に就任。
⑴ 不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけ
当社は、親会社等の利害関係者が保有する不動産を本投資法人に取得させる際には、第三者である不動産鑑定業者に対して、取得させようとする不動産の鑑定評価を依頼し、算定された鑑定評価額を上限として当該不動産の取得価格を決定している。しかしながら、当社は、不動産鑑定業者から提示された鑑定評価額に係る中間報告又は概算額が親会社の売却希望価格に満たなかった3物件の不動産について、親会社の売却希望価格を優先し、親会社の売却希望価格を伝達するなどしたうえで、鑑定評価額が当該売却希望価格を上回るものとなるよう、算定を依頼した不動産鑑定業者に対し、鑑定評価額を引き上げるための働きかけを行っていた。こうした行為は、不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけであると認められる。
⑵ 不適切な不動産鑑定業者選定プロセス
当社は、親会社からの取得となる複数物件の不動産鑑定評価を依頼する際、親会社の売却希望価格を上回る鑑定評価額を得ることを企図して、複数の不動産鑑定業者から不動産鑑定評価に係る概算額を聴取し、そのうち最も高い概算額を提示した不動産鑑定業者(以下「当該不動産鑑定業者」という。)の鑑定報酬額が、概算額を聴取した他の不動産鑑定業者と比して最も廉価になるよう、当該不動産鑑定業者と交渉していた。さらに、当社は、当該不動産鑑定業者による概算額が最も高かったことを伏せたうえで、当該不動産鑑定業者の鑑定報酬額が最も廉価であることを理由に、当該不動産鑑定業者を鑑定評価の依頼先として選定していた。これは、親会社の売却希望価格で本投資法人に取得させることを最優先とした不適切な不動産鑑定業者選定プロセスであると認められる。
このように、当社の利益相反管理態勢は著しく不十分であり、当社は本投資法人のために忠実に投資運用業を行っていないことから、金融商品取引法第42条第1項に定める「忠実義務」に違反するものと認められる。
(参考条文)
○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)
(権利者に対する義務)
第四十二条 金融商品取引業者等は、権利者(次の各号に掲げる業務の区分に応じ当該各号に定める者をいう。以下この款において同じ。)のため忠実に投資運用業を行わなければならない。
一~三 (略)
2 (略)
該当する方は早めに専門家へ相談してください。
専門でないと、
「あきらめなさい」
「どうせ取り返せない」などと言われます。
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