1月19日
投資被害について
米国株式市場は下落、過剰な利上げによる景気悪化を警戒
ダウ平均は613.89ドル安の33,296.96ドル、ナスダックは138.10ポイント安の10,957.01で取引を終了した。
12月生産者物価指数が予想以上に鈍化し、インフレ圧力の低下で金利先高懸念が後退したため上昇スタート。一方、12月小売売上高や12月鉱工業生産が予想以上に悪化し景気減速が明らかになる中、クリーブランド連銀のメスター総裁が追加利上げが必要とタカ派姿勢を再表明したため売りに転じた。さらにセントルイス連銀のブラード総裁も次回会合での0.5ポイントの利上げの必要性を指摘するなど、連邦準備制度理事会高官のタカ派発言が相次いだため、過剰な利上げにより景気が損なわれるとの警戒感が強まり終盤にかけ売りが加速した。金利の低下で上昇していたナスダック総合指数も下落に転じ、主要株価指数は下げ幅を拡大して終了。
18日のニューヨーク外為市場でドル・円は、128円92銭で引けた
米12月生産者物価指数、12月小売売上高や12月鉱工業生産が軒並み予想を大幅に下回ったため連邦準備制度理事会がさらに利上げペースを減速するとの思惑が強まり、金利低下に伴いドル売りが加速。その後、米1月NAHB住宅市場指数が予想外に改善したほかメスター・クリーブランド連銀総裁がインフレ鈍化も追加利上げが必要と主張、さらにブラード・セントルイス連銀総裁がソフトランディングの可能性が著しく改善しており、インフレ制御で前倒しでの利上げを推奨し次回会合で50ベーシスポイントの利上げが適切になると主張したため金利が下げ止まった。ドル売りも後退。
ニューヨーク原油先物3月限は反落、原油3月限終値は79.80ドル、0.65ドル安
米国の景気後退懸念が相場を圧迫した。昨年12月の米鉱工業生産指数や米小売売上高が2ヶ月連続の前月比マイナスとなり、景気悪化が強まったなかでブラード米セントルイス連銀総裁やメスター米クリーブランド連銀総裁がインフレ抑制のためには5%超への政策金利の引き上げが必要であるとの認識を示したことが重しとなった。発言内容に目新しさはないが、経済が悪化していることへの配慮が見られなかったことが市場参加者を落胆させた。経済の軟着陸期待が後退している。
中国経済の再開による需要回復見通しは支援要因。国際エネルギー機関は中国のゼロコロナ政策の終了を受けて、2023年の石油需要が過去最高を更新するとの見通しを示した。国際エネルギー機関は2023年の世界の石油需要を前年比・日量190万バレル増の日量1億170万バレルと想定している。
ニューヨーク金先物2月限は弱含み、金2月限終値は1907.00ドル、2.90ドル安
米小売売上高や米生産者物価指数が弱い内容となり、米連邦準備制度理事会の利上げペース減速見通しを受けてドル安が再開した。ただ景気の先行き懸念が残り、株安でリスク回避の動きが出ると戻りを売られた。米マイクロソフトが1万人の人員削減を発表した。