6月2日
投資被害について
米国株式市場は反発、債務上限問題への警戒感和らぐ
ダウ平均は153.3ドル高の33,061.57ドル、ナスダックは165.7ポイント高の13,100.98で取引を終了した。
債務上限を停止させる法案が下院で可決されて警戒感が和らぐも、冴えない小売り決算が相場を押し下げ寄り付きは軟調。5月ADP雇用統計が市場予想を上回る伸びを見せたほか、週次失業保険申請件数が市場予想ほど増えなかったことを受けて金融引き締めが長引くとの観測も相場の重しとなった。一方、民主党のシューマー院内総務が上院での採決を急ぐ姿勢を見せると債務上限問題への警戒感が一段と和らぎハイテク株の買戻しが相場を下支え、上昇に転じた後はプラス圏で推移した。
1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、138円82銭で引けた
米国の5月ADP雇用統計は予想を上回る増加となりドル買いが先行。しかし週次の新規失業保険申請件数が前回をやや上回り、1-3月期単位労働コスト改定値も大きく下方修正され、金利が低下し始めるなかでドル売りに転じた。その後も、5月米供給管理協会製造業景況指数が予想を下回り、ドル売りが強まったが、米供給管理協会の雇用は上昇、4月建設支出も強くドル買いもみられ下げ止まった。
ニューヨーク原油先物7月限は大幅反発、原油7月限終値は70.10ドル、2.01ドル高
米債務上限停止法案が下院を通過したことで、政府資金が欠乏し米経済が混乱する可能性が低下したことが買い戻しを誘った。米国が債務不履行に陥るとされる6月5日までには上院で採決が行われ、本法案は成立する見通し。
米エネルギー情報局が発表した週報で製油所稼働率が今年最高水準である93.1%まで上昇し、ドライブシーズンの燃料需要が高まる兆候があることも支援要因。ただ輸入の増加や戦略石油備蓄の放出を背景に原油在庫は増加したほか、石油製品需要は日量1944万2000バレルと低調だった。
今週末の石油輸出国機構プラスの会合で追加減産が見送られる見通しであることは重し。ロイター通信が関係筋の発言として伝えている。自主減産も含めて、石油輸出国機構プラスは日量366万バレル規模の生産調整を行っており、さらなる減産は必要ないとみられている。
ニューヨーク金先物8月限は続伸、金8月限終値は1995.50ドル、13.40ドル高
欧州中央銀行のラガルド総裁は、ユーロ圏のインフレ率は依然として高すぎると指摘し、利上げ見通しを示した。ただ5月のユーロ圏の消費者物価指数速報値の伸びが予想以上に鈍化し、金利のピークが12月から9月へ前倒しになるとの見方が出ている。一方5月の全米雇用報告で民間部門雇用者数は27万8000人増と予想以上に増加した。ただ米下院で債務上限法案が可決されたことを受けてリスク選好の動きとなった。