6月29日
投資被害について
米国株式市場はまちまち、追加利上げの可能性が重荷
ダウ平均は74.08ドル安の33,852.66ドル、ナスダックは36.08ポイント高の13,591.75で取引を終了した。
パウエル議長が欧州中央銀行フォーラムでの討論会で追加利上げを示唆したため警戒感から売りが先行。一方、議長が景気後退が最も高い可能性のシナリオだとは思わないと経済の柔軟性を強調すると相場は下げ止まった。ダウ平均は終日軟調に推移したがハイテクの買い戻しが続き、ナスダック総合指数はプラス圏を回復した。
28日のニューヨーク外為市場でドル・円は、144円52銭で引けた。
連邦準備制度理事会のパウエル議長が欧州中央銀行のフォーラムでの他中銀総裁との討論会において、米国経済の柔軟性や労働市場の強さを指摘しタカ派色をさらに明確化したため追加利上げを織り込むドル買いが加速。日銀の植田総裁が円相場に関し動向に注視するとしたため一時円売りが後退。しかし年内に緩和策を修正する姿勢は見せず、円安を受けた介入に関して「財務省の所管事項」との言及にとどめたため円売りが再開した。
ニューヨーク原油先物8月限は反発、原油8月限終値は69.56ドル、1.86ドル高
米エネルギー情報局が発表した週報で、原油在庫が減少したことが買い手がかりとなった。製油所稼働率は3週連続で低下し92.2%となり、原油投入量は減少している一方、原油輸出量が日量533万8000バレルと過去最高水準に迫ったことが取り崩しにつながった。ガソリン需要の4週間移動平均が927万3000バレルまで拡大し今年の最高水準を塗り替えたことや、ジェット燃料需要の4週間移動平均が日量170万3000バレルまで増加し昨年の最高水準に並んだことも支援要因。
パウエル米連邦準備制度理事会議長が「連続利上げの可能性を選択肢から外さない」と述べてタカ派的な構えを継続していることは重し。同議長は景気後退の可能性を想定しつつも、利上げを継続する方針。
ニューヨーク金先物8月限は弱含み、金8月限終値は1922.20ドル、1.60ドル安
欧州中央銀行フォーラムで欧米の金融当局者のタカ派姿勢を示された。パウエル米連邦準備制度理事会議長は、大半の米連邦準備制度理事会当局者が年内あと2回の利上げを見込んでいると述べた。ラガルド欧州中央銀行総裁は、基調的なインフレが低下基調にあることを示す十分な証拠はまだ得られていないとした。イングランド銀行のベイリー総裁は、英国では労働市場とインフレ指標の双方が持続的インフレの明確な兆候を示していると述べた。