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㈱あすなろに対する行政処分(業務停止・業務改善命令)について

株式会社あすなろに対する行政処分について

令和6年6月5日
引用 関東財務局

1.株式会社あすなろ(東京都港区、法人番号3040002080117)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(令和6年5月24日付)

顧客のため忠実に投資助言業務が行われていない状況
(1)特定の顧客に対し、単発スポット銘柄の配信前に銘柄情報を伝達し、売買等の助言を行う行為等
 当社は、原則週1回、上場株式1銘柄の買付けを推奨する投資助言を行っており、所定の日時に銘柄名や買付推奨価格等をメール又は自社ウェブサイトにおいて配信(その際配信される銘柄を以下「単発スポット銘柄」という。)している。
 こうした中、当社における投資助言業務統括者である甲部長は、令和4年5月から同5年3月までの間に配信した単発スポット銘柄55銘柄のうち、顧客Aに対しては少なくとも6銘柄について、顧客Bに対しては少なくとも16銘柄について、以下の流れで不適切な行為を行っている事実が認められた。
ⅰ.甲部長は、単発スポット銘柄の配信を行う約1週間前に、社内での検討を踏まえつつ投資助言を行う1銘柄を決定する。
ⅱ.単発スポット銘柄が決定すると、当該銘柄の配信前に、顧客2名に対し、スマートフォンのメッセージアプリ等において当該銘柄の買付けを助言する。
ⅲ.単発スポット銘柄の配信日(寄付き前)に、顧客2名に対し、ⅱ.と同様の方法により、当社が配信する買付推奨価格の上限付近の価格等を指値とする売付けを助言する。
ⅳ.単発スポット銘柄の株価が売り指値まで上昇しない場合は、指値を下値に訂正するなど、早く売り抜けるよう助言する。
ⅴ.一連の助言を受けた顧客2名は、事前に買い付けた単発スポット銘柄を配信日(寄付き後)に売り抜け、顧客Aは少なくとも239万円、顧客Bは少なくとも306万円の利益を得ている。
 また、甲部長は、上記行為に加え、令和4年9月から同5年3月までの間、一部の顧客に対し、単発スポット銘柄の配信前に、銘柄名は伝達しないものの、どの程度の価格の銘柄かなどを伝達し、配信直後に銘柄名を伝達したらすぐに発注できるよう、準備を依頼したうえで、配信直後に当該銘柄名や成行注文による買付けなどを助言していた。

(2)上記の行為を見過ごし、かつ、これを防止する態勢を構築していない状況
 当社は、単発スポット銘柄の決定を行ってから配信を行うまでの情報管理方法に係る規定を定めておらず、情報の取扱いについて徹底した指導も行われていないほか、業務時間中のスマートフォンの管理を厳格に行っていないなど、情報管理が不十分な状況であった。さらに、甲部長の上記(1)ⅱ.、ⅲ.及びⅳ.の行為は、投資顧問契約の締結の勧誘を目的の一部として行われていたものであるが、当社は、当該勧誘の適切性を確認するための実効性あるモニタリングも行っておらず、上記(1)の行為を防止するための内部管理態勢を構築していない状況であった。
 このため、当社は、甲部長が上記(1)の行為を、長期間にわたり、業務時間中に執務室の自席で行っていたにもかかわらず、これを見過ごしていた。

当社が、上記(2)のとおり甲部長の行為を見過ごし、かつ、これを防止する態勢を構築しないまま、一般の顧客に単発スポット銘柄を助言すること、また、甲部長が、その業務に関し、当社の特定の顧客(顧客A及びB)に対して、事前に助言銘柄を伝達するとともに売買等の助言を行うこと及び当社の一部の顧客に対して、事前に発注方法の助言等を行うことは、配信日における一般の顧客の取引に基づく価格の変動を利用して特定の者の利益を図るために行われた行為であり、これは一般の顧客と特定の者との間の公平性の観点や、利益相反の観点から問題があるなど、正規の手続きにより投資顧問契約を締結した多くの一般の顧客をないがしろにし、その信認を裏切るものである。このような当社の業務運営の状況は、顧客のため忠実に投資助言業務を行っていない状況と認められ、金融商品取引法第41条第1項に定める「忠実義務」に違反するものと認められる。

2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

(1)業務停止命令
 新たな投資顧問契約(契約金額の増額を伴う変更契約を含む。)の締結に係る勧誘・契約締結を令和6年6月5日から同年8月4日まで停止すること。

(2)業務改善命令
1)本件の発生原因を分析し、適切な業務運営態勢及び内部管理態勢の構築を含む再発防止策を策定・実施すること。
2)全ての顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。
3)本件法令違反行為の責任の所在を明確にすること。
4)上記1)から3)の対応状況について、令和6年7月5日までに書面により報告すること。

 

㈱あすなろに対する検査結果に基づく勧告について

令和6年5月24日
引用 証券取引等監視委員会

1.勧告の内容
 関東財務局長が株式会社あすなろ(東京都港区、法人番号3040002080117、代表取締役 大石 恭嗣、資本金990万円、常勤役職員9名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

2.事実関係
○ 顧客のため忠実に投資助言業務が行われていない状況

(1)特定の顧客に対し、単発スポット銘柄の配信前に銘柄情報を伝達し、売買等の助言を行う行為等
 株式会社あすなろ(以下「当社」という。)は、原則週1回、上場株式1銘柄の買付けを推奨する投資助言を行っており、所定の日時に銘柄名や買付推奨価格等をメール又は自社ウェブサイトにおいて配信(その際配信される銘柄を以下「単発スポット銘柄」という。)している。
 こうした中、当社における投資助言業務統括者である甲部長は、令和4年5月から同5年3月までの間に配信した単発スポット銘柄55銘柄のうち、顧客Aに対しては少なくとも6銘柄について、顧客Bに対しては少なくとも16銘柄について、以下の流れで不適切な行為を行っている事実が認められた。
ⅰ.甲部長は、単発スポット銘柄の配信を行う約1週間前に、社内での検討を踏まえつつ投資助言を行う1銘柄を決定する。
ⅱ.単発スポット銘柄が決定すると、当該銘柄の配信前に、顧客2名に対し、スマートフォンのメッセージアプリ等において当該銘柄の買付けを助言する。
ⅲ.単発スポット銘柄の配信日(寄付き前)に、顧客2名に対し、ⅱ.と同様の方法により、当社が配信する買付推奨価格の上限付近の価格等を指値とする売付けを助言する。
ⅳ.単発スポット銘柄の株価が売り指値まで上昇しない場合は、指値を下値に訂正するなど、早く売り抜けるよう助言する。
ⅴ.一連の助言を受けた顧客2名は、事前に買い付けた単発スポット銘柄を配信日(寄付き後)に売り抜け、顧客Aは少なくとも239万円、顧客Bは少なくとも306万円の利益を得ている。
 また、甲部長は、上記行為に加え、令和4年9月から同5年3月までの間、一部の顧客に対し、単発スポット銘柄の配信前に、銘柄名は伝達しないものの、どの程度の価格の銘柄かなどを伝達し、配信直後に銘柄名を伝達したらすぐに発注できるよう、準備を依頼したうえで、配信直後に当該銘柄名や成行注文による買付けなどを助言していた。

(2)上記の行為を見過ごし、かつ、これを防止する態勢を構築していない状況
 当社は、単発スポット銘柄の決定を行ってから配信を行うまでの情報管理方法に係る規定を定めておらず、情報の取扱いについて徹底した指導も行われていないほか、業務時間中のスマートフォンの管理を厳格に行っていないなど、情報管理が不十分な状況であった。さらに、甲部長の上記(1)ⅱ.、ⅲ.及びⅳ.の行為は、投資顧問契約の締結の勧誘を目的の一部として行われていたものであるが、当社は、当該勧誘の適切性を確認するための実効性あるモニタリングも行っておらず、上記(1)の行為を防止するための内部管理態勢を構築していない状況であった。
 このため、当社は、甲部長が上記(1)の行為を、長期間にわたり、業務時間中に執務室の自席で行っていたにもかかわらず、これを見過ごしていた。

当社が、上記(2)のとおり甲部長の行為を見過ごし、かつ、これを防止する態勢を構築しないまま、一般の顧客に単発スポット銘柄を助言すること、また、甲部長が、その業務に関し、当社の特定の顧客(顧客A及びB)に対して、事前に助言銘柄を伝達するとともに売買等の助言を行うこと及び当社の一部の顧客に対して、事前に発注方法の助言等を行うことは、配信日における一般の顧客の取引に基づく価格の変動を利用して特定の者の利益を図るために行われた行為であり、これは一般の顧客と特定の者との間の公平性の観点や、利益相反の観点から問題があるなど、正規の手続きにより投資顧問契約を締結した多くの一般の顧客をないがしろにし、その信認を裏切るものである。このような当社の業務運営の状況は、顧客のため忠実に投資助言業務を行っていない状況と認められ、金融商品取引法第41条第1項に定める「忠実義務」に違反するものと認められる。

 

 

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専門でないと、
「あきらめなさい」
「どうせ取り返せない」などと言われます。

 

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