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CoinBest㈱に対する行政処分(業務停止・業務改善命令)について

CoinBest株式会社に対する行政処分について

令和6年6月14日
引用 関東財務局

関東財務局は、本日、CoinBest株式会社(本社:東京都中央区。法人番号:3010001185935。以下「当社」という。)に対し、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号。以下「法」という。)第63条の17第1項及び第63条の16の規定に基づき、下記のとおり行政処分を行った。

1.行政処分の内容

(1)業務停止命令(法第63条の17第1項)
 令和6年6月14日から令和6年12月13日までの間、IEO業務(暗号資産交換業者が発行者に代わって発行者が発行する暗号資産の販売を行う業務)を停止すること。

(2)業務改善命令(法第63条の16)
 暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行のため、以下に掲げる事項について業務の運営に必要な措置を講じること。

①経営管理態勢の構築
 下記「2.処分の理由」に記載した問題が発生している根本的な原因の分析・評価を行った上、十分な改善が可能となるよう経営体制を強化すること。また、取締役会の機能強化を図り、法令等遵守や適正かつ確実な業務運営を確保するための実効性ある経営管理態勢を構築すること。

②内部管理態勢(含むIEO業務などをはじめとする新規暗号資産の取扱いに関する態勢)及び内部監査態勢の構築
 上記根本的な原因の分析・評価を踏まえ、IEO業務などをはじめとする新規暗号資産の取扱いに関する態勢を整備するほか、第2線・第3線の適切な機能発揮を図ることを含め、適正かつ確実な業務運営を確保するための実効性ある内部管理態勢及び内部監査態勢を構築すること。また、職務の内容・重要性に応じた適切な人材が採用・選任されるプロセスを整備すること。

③マネー・ローンダリング及びテロ資金供与(以下「マネロン・テロ資金供与」という。)リスク管理態勢等の構築
 「マネロン・テロ資金供与対策に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)において、令和6年3月末までに対応が求められる事項のうち、取引モニタリングを適切に実施する態勢や、疑わしい取引の該当性について適切に検討・判断し、速やかに届出を行う態勢の整備をはじめ、対応未了となっている事項に係る措置を講じるなど、マネロン・テロ資金供与に利用されることを防止するための実効性あるリスク管理態勢を構築すること。
 また、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号。以下「犯収法」という。)に基づく確認結果の記録の適切な実施をはじめとする法令等遵守態勢を構築すること。

(3)上記(2)に関する業務改善計画(具体策及び実施時期を明記したもの。)を令和6年7月16日(火曜日)までに提出し、提出後、直ちに実行すること。

(4)上記(3)の実行後、当該業務改善計画の実施完了までの間、3か月毎の進捗・実施状況を翌月10日までに報告すること(初回提出基準日を令和6年9月末とする。)。

2.処分の理由

 関東財務局による立入検査及び法第63条の15第1項の規定に基づく当社からの報告(令和6年4月30日付及び令和6年5月15日付)によれば、以下のとおり、当社の経営管理態勢、内部管理態勢(含む新規暗号資産の販売態勢)、内部監査態勢及びマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢について、重大な問題が認められた。

(1)経営管理態勢
 当社は、IEO業務の早期実現による収益獲得を優先し、経営上重要な事項であるIEO業務への参入について取締役会に付議せず、経営資源の配分や経営上のリスクに関する議論を行わないまま、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(以下「JVCEA」という。)への新規暗号資産の販売に係る審査の申請を承認しているほか、取締役会で決議すべきとされている取締役の利益相反取引や、内部管理部長及び内部監査部長等の選任・解任等を付議していないなど、取締役会は形骸化し、業務意思決定機関としての機能を発揮していない。
 このため、以下(2)~(4)に掲げる態勢の不備が認められるなど、暗号資産交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない。

(2)内部管理態勢(含む新規暗号資産の販売(IEO)態勢)
 当社は、2線機能を担う内部管理部門の担当役員等が相次いで退職・休職したことにより、IEO審査担当役員やマネロン・テロ資金供与対策に係る統括管理者(以下「統括管理者」という。)が不在となる中、内部管理態勢を構築することなく、IEO業務による収益獲得を優先し、同業務に必要な態勢の整備や人員の確保、同業務を行うことにより生じ得る経営上のリスクへの対応について、十分な検討を行わないまま、IEOの申請等を行っている。
 とりわけIEO業務について、当社は、IEO審査担当役員に限らず、当該業務に取り組むための専門的な人材を配置していないなど、IEO業務への参入に係る必要な審査体制を整備していない。
 このような中、IEO審査を開始した結果、当社は発行体及び事業内容を審査する立場にあるにもかかわらず、アレンジャー兼発行体のアドバイザーとして同事業を推進する立場にある事業者及び発行体と一体となって、IEOに係るJVCEAへの審査の申請を行っているほか、退職した役員を担当役員とした事実と異なる記載をして、申請を行うといった不適切な実態が認められており、IEO業務を適正かつ確実に遂行するための内部管理態勢に著しい不備が認められる。

(3)内部監査態勢
 当社は、3線機能を担う内部監査部門の部長や職員も相次いで退職しており 、第3線として実効性のある内部監査態勢を構築していないことから、令和2年12月の業務開始以降、規則等に則った内部監査が実施されていない。

(4)マネロン・テロ資金供与リスク管理態勢
 当社は、統括管理者である担当役員、部長、主要な職員が相次いで退職・休職する中、役員の中から新たな統括管理者を選任していないなど、実効性のあるマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の構築を行っていない。
 このため、マネロン・テロ資金供与やなりすましの疑いのある取引が認められるにもかかわらず、これらの取引の実態を把握・検証せず、疑わしい取引に該当するか検討を行っていないなど、取引モニタリングを適切に実施する態勢や、疑わしい取引の該当性について適切な検討・判断を行う態勢を整備しておらず、ガイドラインにおいて対応が求められる事項に係る措置が不十分となっている。
 当社におけるこうした現状は、金融庁が令和3年4月28日付「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に係る態勢整備の期限設定について」において要請した「ガイドラインで対応を求めている事項について、令和6年3月末までに対応を完了させ、態勢を整備すること」に対して、適切に対応していないと認められる。
 加えて、犯収法施行規則第20条第1項第24号に基づく実質的支配者の確認結果の記録を保存しておらず、犯収法に違反している。

 上記(2)のうち、IEO業務に係る態勢の状況は、法第63条の5第1項第4号に定める「暗号資産交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない法人」の状況に該当すると認められることから、法第63条の17第1項第1号に基づく業務停止命令を発出するものである。また、上記(1)~(4)の状況は、「暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるとき」に該当するものと認められることから、法第63条の16の規定に基づく業務改善命令を発出するものである。

 

 


該当する方は早めに専門家へ相談してください。
専門でないと、
「あきらめなさい」
「どうせ取り返せない」などと言われます。

 

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