9月14日
投資被害について
NY株式:ダウは258ドル安
NYダウ 終値 :18066.75 前日比:-258.32
始値 :18262.99 高値 :18262.99 安値 :18028.06
13日の米国株式相場は下落。ダウ平均は258.32ドル安の18066.75、ナスダックは56.63ポイント安の5155.25で取引を終了した。国際エネルギー機関が、来年の石油需要見通しを引き下げたことで売りが先行。米国債利回りが上昇するなど追加利上げへの警戒感も強まっており、ダウは一時300ドルに迫る下落となった。
アルパイン・パートナーズの上級運用担当者、ブレット・チェスニー氏は「米国だけでなく世界的に市場は中央銀行に左右されており、資産クラスを問わず中銀が支配的な要素になっている」と指摘。「これら中銀が動かなければ、金融政策という安定要因が弱まるあるいはなくなると市場は心配し始める」と述べた。
バンク・オブ・アメリカの調査によれば、ファンドマネジャーは今月、弱気な見方から現金の保有を高めている。株式と債券の両方が過大評価されていると回答した投資家の割合は過去最高になり、現金と比較した株式の配分は4年ぶりの低水準近くに低下した。
S&P500種株価指数は前日比1.5%安の2127.02で終了。ダウ工業株30種平均は258.32ドル下げて18066.75ドルで終えた。
S&P500種構成企業の決算が6四半期連続で減益になると予想されている中、高いバリュエーションも引き続き投資家の悩みの種となっている。予想株価収益率は18.4倍と、2002年以来の高水準。
米国株は利上げを懸念しない日もあれば、当局者のタカ派寄りの発言でS&P500種が約2カ月ぶりの大幅安になる日もある。今夏の株式相場の動きから判断すれば、米経済が決定要因のようだ。ボストン連銀のローゼングレン総裁が利上げを長く待ち過ぎるのは危険だと指摘した9日以降、S&P500種は2.5%下げている。しかし、つい先月には利上げ確率が上昇する中で株価は上昇していた。
先月と現在の大きな違いは米経済指標だ。7ー8月は予想を上回っていたが、今は予想を下回っている。
オッペンハイマーのチーフ市場ストラテジスト、ジョン・ストルツファス氏は「経済指標がもっと良い内容であれば、9日の市場はもっと前向きに反応していた可能性が高い」と発言。「米金融当局は恐らく12月利上げを決意しているが、期待が高まると経済統計に対する反応がやや過剰になりかねない」と指摘した。
13日のニューヨーク外為市場でドル・円は、102円57銭で、ユーロ・ドルは、1.1219ドルで引けた。ユーロ・円は、114円69銭から115円32銭へ上昇。ポンド・ドルは、1.3269ドルから1.3168ドルへ下落した。ドル・スイスは、0.9707フランから0.9785フランへ上昇した。
ニューヨーク原油は大幅反落、10月限終値は44.90ドル、マイナス1.39ドル。国際エネルギー機関が9月の石油市場月報で、16年の需要予測を前年比で日量130万バレルと、前月比で10万バレル下方修正した。
また、経済協力開発機構加盟国の在庫が7月時点で過去最高に積み上がっていることや、為替市場でドルが主要通貨に対してやや強含んだことなども嫌気された。
トラディション・エナジーのシニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は「IEAは現在の供給超過がこれまで予想していたよりも長く続くとの見方を明らかにした」と指摘。「米国の在庫統計に対しては、遅れていた輸入原油の到着で、在庫は大きく積み上がったとの見方が広がっている」と述べた。
日足チャートでは、50日移動平均線と100日移動平均線に挟まれたレンジで推移している。6月9日の年初来高値51.67ドルを起点とした上値抵抗ラインを上抜けられない状況が継続。1日の安値43.00ドルを割り込むと200日移動平均線が位置する40ドル水準を意識した展開へ。
NY金は5日続落、12月限終値は1323.70ドル、マイナス1.90ドル。米国株式市場では、NYダウが前日の反発分を帳消しにする大幅安に。株安を材料にリスク回避の流れが強まったことでしっかりとした推移となったが、為替市場でドルが主要通貨に対してやや強含んだことが影響し続落となった。5日続落は2ヶ月半ぶり。
テクニカル面では、100日移動平均線をサポートとした反発が見られるものの、足元の上値抵抗ラインである1350ドル台に頭をおさえられる格好に。引続き50日移動平均線での攻防となっている。