ニューヨーク市況 10月3日
投資被害について
NY株式:ダウは54ドル安
NYダウ 終値 :18253.85 前日比:-54.30
始値 :18279.60 高値 :18279.80 安値 :18203.75
3日の米国株式相場は下落。ダウ平均は54.30ドル安の18253.85、ナスダックは11.13ポイント安の5300.87で取引を終了した。
ドイツ銀行と司法省との合意観測に懐疑的な見方が広がったほか、英国のメイ首相が来年3月までに欧州連合からの離脱交渉の開始を明言したことから売りが先行。
ラッセル・インベストメンツは3日付の顧客向けリポートで、高いバリュエーションが株価の上値を抑えるものの、緩やかな米景気拡大が株価の大幅な落ち込みを防ぐはずだとし、どのような下げも持ち高を積み増す好機だと指摘。米大統領選挙や利上げなどリスクのある出来事があることを考慮すれば、下落は今四半期に起こる可能性が高いとの見方を示した。
ラッセルの北米投資ストラテジスト、ポール・エイトルマン氏は「当社は過度に悲観していない。米経済の成長が続き、リスク資産に効果的なバックストップを提供するとみているためだ。米国株が急落すれば、押し目買いを入れるだろう。経済のファンダメンタルズがまずまずだと考えているからだ。ただ、低調な業績と高いバリュエーションという組み合わせが慎重なトーンにつながっている」と述べた。
ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ・ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェーコブセン氏は「ISM製造業指数が活動拡大の領域に戻ったことは見通しには良いことだと言える。8月の数字が弱く、米金融当局は停止ボタンを押したかもしれないが、現在は口先で利上げ観測を強めることが可能だ」と語った。
3日のニューヨーク外為市場でドル・円は、101円64銭で、ユーロ・ドルは、1.1211ドルで引けた。ユーロ・円は113円73銭から114円02銭へ上昇。ポンド・ドルは、1.2875ドルから1.2818ドルへ下落した。英国のメイ首相が「来年3月末までに離脱の意思を欧州連合に通達する」との方針を示したため英国の欧州連合離脱を警戒したポンド売りが優勢となった。
ニューヨーク原油は4日続伸、11月限終値は48.81ドル、プラス0.57ドル。
先月末の石油輸出機構による非公式会合での減産合意を材料視した買いが続いている。市場では、暫定合意のため11月の通常総会の結果を見なくてはわからないとの声もあるが、8年ぶりの減産合意を評価する動きのほうが強い様子。
スプロット・アセット・マネジメントで1億3000万ドル規模のエネルギーファンドを運用するエリック・ナッタル氏は、「OPECは前回のサイクル以降、変化している。過去最大の原油価格下落を経験した。私は以前よりも強気姿勢だが、以前も強気だった」と述べた。
日足チャートでは、100日移動平均線を上抜いている。6月9日の年初来高値51.67ドルを起点とした上値抵抗ラインも突破。50ドル台回復を意識した展開となっている。
ニューヨーク金は続落、12月限終値は1312.70ドル、マイナス4.40ドル。
為替市場で、ドルが主要通貨に対して強含んだことからさえない展開となった。また、一部では、投資資金は減産合意を材料に原油に向かっているとの指摘も浮上している。
テクニカル面では、100日移動平均線での静かな攻防を迎えている。この水準を下抜けると心理的な節目である1300ドルが意識される。