先物情報、先物被害 3月9日
投資被害について
ニューヨークダウは93ドル高
8日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は93.85ドル高の24895.21、ナスダックは31.30ポイント高の7427.95で取引を終了した。
トランプ政権の関税導入で一部の国への関税措置が免除されるとの期待から、買いが先行。その後は、トランプ大統領による正式発表を午後に控えて上値の重い展開となったが、発表前にカナダとメキシコが適用除外となることが先んじて報じられ、上昇。トランプ大統領はカナダとメキシコへの関税適用を除外し、他の同盟国にも交渉余地を残すことが明らかとなった。
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円19銭で引けた。
トランプ米大統領は予想通り、鉄鋼やアルミニウムの追加輸入関税を発動したが、メキシコやカナダを対象除外するとしたほか他国も対象除外の交渉が可能になるため、当初の強硬姿勢は多少和らいだとの見方でドル買いが再燃した。
ニューヨーク原油先物4月限は続落、原油4月限終値は60.12ドル、マイナス1.03ドル。
時間外取引を含めて一時59.95ドルまで売られた。米国内の原油生産増加に対する警戒感が広がっていることや、為替相場がドル高方向に振れたことが要因。保護主義的な米通商政策によって世界経済の成長は阻害されるとの見方も原油先物の反発を抑える一因となった。トランプ大統領は8日、鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税を導入する文書に署名している。
欧州中央銀行理事会後、ドル高に振れたことが圧迫要因。このところはドル相場や株式市場など関連市場の動向で動意づくことが多い。季節的に米国の石油市場は需要の端境期にあり、需要の変動に手がかりが乏しいことから、関連市場に目が向きやすくなっている。
米国が貿易戦争を開始しようとしていることも重し。トランプ米大統領は現地時間の8日中に鉄鋼やアルミニウムに高い関税を課す文章に署名する見通し。署名後、15日程度で発効する。米国の好戦的な姿勢に対して、諸外国が報復に動くのは必至。財の自由な動きが制限されることによる悪性インフレが警戒され、景気見通しは不透明になる。
前日に米エネルギー情報局が発表した週報で、米原油生産量が週次の過去最高水準を更新したことは引き続き売りを誘っている。今週、EIAは月報で米国の原油生産量見通しを引き上げている。米国のシェールオイルは革命期並みの大増産が行われており、全体の原油生産量を押し上げている。
ニューヨーク金先物4月限は続落、金4月限終値は1321.70ドル、マイナス5.90ドル。
時間外取引を含めて1319.60ドルまで売られた。為替相場がドル高方向に振れたことや米国株高を意識して安全逃避的な買いは縮小した。9日に発表される2月米雇用統計の改善が期待されていることも金先物相場の反発を抑える一因となったようだ。
欧州中央銀行の声明で、「必要であればQEの規模を拡大」との文言が削除され、ユーロが上昇する場面も見られたが、ドラギECB総裁が会見で緩和姿勢を維持し、ユーロの戻りが売られた。米輸入関税に関しては、国別の対応となる見込みで米株価の下値は限られた。