先物被害、先物被害情報 4月12日
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ニューヨークダウは218ドル安、地政学リスクへの警戒感広がる
11日の米国株式相場は下落。ダウ平均は218.55ドル安の24189.45、ナスダックは25.27ポイント安の7069.03で取引を終了した。
トランプ大統領がシリアへの軍事攻撃を示唆したほか、同国を支援するロシアとの関係悪化に言及し、地政学リスクが嫌気され、上値の重い展開が続いた。FOMC議事録では、大半の当局者が経済見通しとインフレ目標達成に自信を強めており、段階的な利上げが適切との認識で一致している一方で、貿易戦争が経済への下振れリスクになると判断された。
11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円82銭で引けた。
トランプ米大統領がシリア空爆の可能性を示唆するなど地政学的リスクが上昇、リスク回避のドル売り・円買いの動きが優勢となった。その後、米国の3月消費者物価指数の上昇や米連邦準備制度理事会が公表した連邦公開市場委員会議事録がタカ派色を強めたためドル売りはやや後退した。
ニューヨーク原油先物5月限は大幅続伸、原油5月限終値は66.82ドル、プラス1.31ドル。
時間外取引を含めて一時67.45ドルまで買われた。米国などによるシリアへの武力行使の可能性が高まっており、原油供給に何らかの影響が及ぶことが警戒されたことが要因。中東地域における地政学的リスク増大を受けて米ドルが主要通貨に対してやや下落したことも原油先物の上昇を促したようだ。
トランプ米大統領がシリアへのミサイル発射を警告したことが手がかり。ロシアはシリアへの米軍のミサイルをすべて撃ち落とす公言しており、シリアを巡って米露関係が緊迫化している。
イエメンからイスラム教シーア派武装組織「フーシ派」が発射したミサイルをサウジアラビアが迎撃したことも中東の地政学的なリスクを高めた。フーシ派の発表による と、ミサイルの標的はサウジ国防省だった。このところはフーシ派によるサウジ攻撃が激化しており、サウジの石油タンカーもフーシ派の攻撃対象となっている。シーア派のイランがフーシ派を支援しており、代理戦争を続けてきたサウジとイランの関係は険悪化している。
米エネルギー情報局が発表した週報で、原油在庫は市場予想に反して増加したが、あまり材料視されていない。需要期に入りつつあることで、米製油所の原油消費量は拡大しているものの、原油生産や輸入が拡大し、原油在庫の積み増しにつながった。シェールオイルの増産を背景に米原油生産量は週次の統計での過去最高水準を更新し続けている。
時間外取引から5月限は堅調に推移し66ドル前半へと上昇すると、通常取引開始序盤には67.45ドルまで一段高となった。ただ、高値からはやや失速して引けている。
ニューヨーク金先物6月限は大幅続伸、金6月限終値は1360.00ドル、プラス14.10ドル。
時間外取引を含めて1369.40ドルまで買われた。米国などによるシリアへの武力行使の可能性が高まっており、中東地域における地政学的リスク増大を意識して安全逃避の金買いが活発となった。米国株の反落や米長期金利の低下も金先物相場の上昇を促した。なお、11日に公表された米連邦公開市場委員会の議事要旨には「今後数年、財政政策が成長を大きく促進する」、「ほぼ全ての金融当局者が漸進的な利上げが適切と判断している」との記述が含まれており、利上げ継続の方針が再確認されている。
立会時間は、米大統領の発言でシリア情勢に対する懸念が高まったことを受けて堅調となった。テクニカル要因の買いが入って上値を伸ばし、2月16日以来の高値1369.4ドルを付けた。米消費者物価指数が前月比で下落したことも支援要因となった。買い一巡後は利食い売りが出て上げ一服となった。また米連邦公開市場委員会議事録発表後のドル高も上値を抑える要因になった。
トランプ米大統領が、すぐにでもシリアへの軍事攻撃に踏み切ると述べ、地政学的リスクに対する懸念が高まった。またこの日は、サウジアラビアが首都リヤドの上空で、ミサイルを迎撃したと明らかにし、中東情勢に対する懸念が広がった。一方、米消費者物価指数が前月比で下落し、ドル安要因となったが、米連邦公開市場委員会議事録でインフレ上昇見通しが示されると、ドル高に転じた。