先物被害 5月24日
投資被害について
ニューヨークダウは52ドル高、FOMC議事録を好感
23日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は52.40ドル高の24886.81、ナスダックは47.50ポイント高の7425.96で取引を終了した。
アジア・欧州株がほぼ全面安となり売りが先行。貿易摩擦を巡る米中関係への先行き不安や米朝首脳会談実現への懐疑的な見方から投資家心理が悪化し、軟調推移となった。しかし、FOMC議事録では、大半の当局者が堅調な経済見通しを受けて、近く利上げが必要となるとの認識を示す一方で、インフレ率が目標から若干上振れたとしても、米経済に影響を与えないとの考えから利上げを急がない姿勢も確認された。発表後に株価は下げ幅を縮小し、引けにかけて上昇に転じた。
23日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円08銭で引けた。
新興諸国通貨の下落や米朝首脳会談の実現性が薄れたことを受けた地政学的リスクの上昇を嫌気したドル売り・円買いが続いた。その後、トルコ中央銀行がリラ安是正の緊急利上げを実施し、リラ売りが一段落したことや、この日公表された5月の連邦公開市場委員会議事要旨で利上げを急がない方針が確認されたため、米国株は反転し、リスク回避のドル売り・円買いは一服した。
ニューヨーク原油先物7月限は続落、原油7月限終値は71.84ドル、マイナス0.36ドル。
米エネルギー情報局が発表した週報で、原油在庫が市場予想に反して増加したことが利益確定の売りを誘った。米原油生産量は統計開始以来の最高水準をやや塗り替えたほか、輸入が増加したことが原油在庫の積み増しにつながった。米国は需要期にあるものの、燃料価格の上昇で消費があまり伸びていないことも、原油在庫を押し上げる要因となっている。
チャールズ・シューマー上院院内総務はトランプ米大統領に、石油輸出国機構に対して原油価格を引き下げる措置を講じることを促すよう要請した。エネルギー高によって減税効果が相殺されることを危惧している。
OPECやロシアなどが来月22日の総会で、協調減産の規模を縮小させる可能性があると報道されたことは売りを後押しした。米国による経済制裁でイランの減産は避けられない見通しであるうえ、経済危機のベネズエラは設備投資不足で減産を余儀なくされており、OPECを中心とした産油国は従来の方針を転換させる余地が生じている。協調減産は年末まで行われることで合意に至っているものの、世界的な石油の過剰在庫は払拭されており、協調減産の目標は達成されている。
ニューヨーク金先物6月限は小幅安、金6月限終値は1289.60ドル、マイナス2.40ドル。
金6月限は、反落。時間外取引では1288.5~1298.4ドルのレンジで推移、前日比4.2ドル高の1296.2ドルとなった。6月限は、安寄りしたのち、1293.0ドルまで戻す場面も見られたが、ユーロ安を受けて戻りを売られた。ただ米中通商協議に対する不透明感や、米朝首脳会談延期の可能性などを受けてリスク回避の株安となったことが下支えとなり、欧州時間に入ると、買い戻し主導で戻した。
立会時間は、ドル高を受けて戻りを売られ、1286.7ドルまで下落した。その後は予想以下の米新築住宅販売件数などが下支えとなり、1293.8ドルまで戻したが、米連邦公開市場委員会議事録の発表を控えて上げ一服となった。米FOMC議事録では追加利上げ見通しが示されたが、年4回利上げ観測は高まらず、ドル高が一服した。
イタリアのマッタレッラ大統領がフィレンツェ大学法学教授のジュゼッペ・コンテ氏を次期首相に指名し、政治的不安からイタリア国債の売り圧力が高まった。また5月のユーロ圏総合購買担当者景気指数速報値が1年半ぶりの低水準となり、ユーロが軟調に推移した。一方、米中通商協議に対する不透明感などを受けて欧州株が下落し、金の下支え要因となった。