先物被害 5月30日
投資被害について
ニューヨークダウは391ドル安
29日の米国株式相場は下落。ダウ平均は391.64ドル安の24361.45、ナスダックは37.26ポイント安の7396.59で取引を終了した。
イタリアの政局不安を受けて欧州株が全面安となり、米国株にも売りが先行。スペインでもラホイ首相への不信任決議案が今週中に採決される見通しであり、リスク回避による米国債利回りの低下により、金融関連銘柄を中心に終日大幅下落となった。
29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円77銭で引けた。
ニューヨーク原油先物が一時買い戻され、米国10年債利回りが2.88%台まで上昇したことでドル買いが先行。その後、原油の売り再開やイタリア懸念などから欧米株が大幅安となり、10年債利回りが2.75%台まで低下したことからドル売り・円買いが強まった。
29日のニューヨーク原油先物は続落、原油7月限終値は66.73ドル、マイナス1.15ドル。
来月22日の石油輸出国機構総会で、産油国の舵取り役であるロシアとサウジアラビアが増産を協議すると表明していることが引き続き調整安を促した。日量100万バレルの協調減産縮小が協議の軸となる見通し。OPEC加盟国と非加盟国は現行で日量180万バレル規模の協調減産を行っている。
米国が対イラン制裁の再開を決定したことで、イランの原油生産量は年末にかけて減少し始めるとみられているほか、経済危機のベネズエラでは石油関連施設への設備投資が不足し減産に歯止めがかからず、サウジやロシアに増産を促す背景となった。ベネズエラでは独裁的なマドゥロ大統領が公正に行われなかった大統領選で再選を果たしており、経済危機はさらに悪化する公算。欧州連合は民主主義が失われているとして、ベネズエラに対する追加制裁を準備しているが、マドゥロ大統領に近い人物が制裁の対象となる見通し。
ドル高が続いており、ドルインデックスが年初来高値の付近まで上昇したこともドル建てで取引されるコモディティの重し。リビアで年末に大統領選と議会選が行われることが合意に至ったことも圧迫要因。リビア西部の政府側と東部で武装組織を率いるハフタル将軍らが内戦を終結させることで認識が一致した。
ニューヨーク金先物は続落、6月限終値は1299.00ドル、マイナス4.70ドル。
金6月限は続落。時間外取引では、米朝首脳会談が再度、実施される見込みとなったことから売り優勢となり、1294.6ドルまで軟化したが、終盤に下げ幅を縮小し た。しかし日中取引開始直後から下げ幅を拡大し、今月23日以来の安値となる1291.4ドルまで下落。ドルが対ユーロで上昇したことが圧迫要因となった。その後、ニューヨークダウが序盤で300ドル以上の下落となったことから下げ幅を縮小 し、1300ドル台を回復したが、1305ドルが抵抗線となった。後半は1300ドルを挟んで小幅安でもみあいとなった。この日は6月限から8月限への限月移行の取引が活発化したとみられ、出来高が大幅に増えた。
現物価格はアジア時間で1300ドルで上値を抑えられたが、欧州時間で1305ドル台を試した。しかしユーロ安、ドル高で1300ドル台で買いは続かず、ニューヨーク金6月限と同様に1300ドルを維持できず。長期波動線の200日移動平均線が1307ドル台に通っているが、200日移動平均線が抵抗線になった。