8月10日
投資被害について
ニューヨークダウは74ドル安、米中関係の悪化が相場の重し
米国株式相場はまちまち。ダウ平均は74.52ドル安の25509.23、ナスダックは3.46ポイント高の7891.78で取引を終了した。
米中貿易摩擦への懸念から寄付き後はもみ合う展開となったが、4-6月期決算で市場予想を上振れた企業数が2009年第3四半期以来の最多を更新したほか、週間新規失業保険申請件数が予想より減少し、下値を支えた。
ニューヨーク外為市場でドル・円は、111円07銭で引けた。
米国の7月生産者物価指数が予想を下回ったため、債券利回り低下に伴うドル売りが優勢となった。その後、ハト派寄りとして知られるエバンス・シカゴ連銀総裁のタカ派発言を受けて金利先高感を受けたドル買いが優勢となった。
ニューヨーク原油先物9月限は小幅続落、原油9月限終値は66.81ドル、マイナス0.13ドル。
米中貿易戦争が拡大しているなかで、両国の景気減速やコモディティ需要の縮小が引き続き警戒されている。報復関税の応酬は中国側にとって不利とみられており、上海総合株価指数や人民元は下落基調にある。ただ、敵対的な関税が発動された7月以降の中国経済指標はほとんど発表されておらず、貿易戦争による直接的な影響はまだはっきりと確認されていない。
国際エネルギー機関や石油輸出国機構は来年にかけても石油需要が拡大するとの楽観的な見通しを維持しているものの、米中貿易戦争の拡大で不透 明感が高まっている。米中の石油需要は世界全体の約3割を占める。IEAは7月に発表した月報で、2018年と2019年の世界の石油需要の伸びを日量140万バレルと想定している。IEAは10日に8月の月報を公表する予定。
対主要通貨でドルが堅調に推移したこともコモディティ市場を圧迫した。6月以降、ドルインデックスはレンジを形成しており、方向感は限定的だが、足元ではレンジ上限付近までドルが強含んでいる。
9月限は時間外取引から通常取引にかけて、前日終値を挟んで売り買いが交錯した。
時間外取引で66.49ドルまで軟化する場面はあったが、前日安値を試すほどの勢いはなかった。通常取引序盤には67.41ドルまで上昇したものの、上値は重く、マイナス転換して引けた。夏季休暇シーズンのなかでも前日は下げの過程で出来高が膨らんだが、本日は低調だった。
ニューヨーク金先物12月限は反落、金12月限終値は1219.90ドル、マイナス1.10ドル。
金12月限は、小反落。時間外取引では1218.4~1225.6ドルのレンジで推移、前日比1.3ドル高の1222.3ドルとなった。12月限は、高寄りしたのち、人民元の落ち着きなどを受けてドル安に振れたことが支援要因になり、堅調に推移した。欧州時間に入ると、ユーロ高一服を受けて上げ一服となったが、押し目は買われた。
中国市場の落ち着きを受けてドルの利食い売りなどが出てドル安となったが、ニューヨーク市場でドル高が再開し、金の上値を抑える要因になった。トランプ米大統領がトルコとロシアに制裁を発動し、トルコリラやロシアルーブルが下落し、ドル高要因に なっている。一方、市場では、米政権の介入主義的な通貨政策への転換も警戒されている。