9月12日
投資被害について
ニューヨークダウは113ドル高、エネルギーやハイテクセクターが選好される
米国株式相場は上昇。ダウ平均は113.99ドル高の25971.06、ナスダックは48.31ポイント高の7972.47で取引を終了した。
米中貿易摩擦への警戒感が根強く、売りが先行したものの、原油相場の上昇が好感されたほか、7月求人件数が過去最高となるなど米景気の堅調さが示され上昇に転じた。ハイテク株への買いも広がり、堅調推移となった。
11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円60銭で引けた。
米8月NFIB中小企業楽観指数や7月JOLT求人件数がそれぞれ過去最高を記録、米国経済の成長期待が一段と強まった。米債利回りの上昇に伴うドル買いが優勢となった。
ニューヨーク原油先物10月限は大幅反発、原油10月限終値は69.25ドル、プラス1.71ドル。
米国の対イラン制裁によってイランの生産量がさらに減少していく見通しであることが背景。石油取引を含めた米国の対イラン制裁の第2段は11月から始まる。サウジアラビアやロシアなど主要な産油国が増産し、供給不足を回避しようとしているものの、安定的な供給量の確保は不透明であるとみられている。生産量が回復しているリビアでは、リビア国営石油会社の本部が攻撃されており、生産の下振れが警戒されている。イラク南部の石油都市バスラでは暴動が沈静化しない。ベネズエラやアンゴラでは減産が続く見通し。
米エネルギー情報局が発表した月報で、米国の原油生産見通しは下方修正された。2018年の生産量は前回の見通しから0.2%減の日1066万バレル、2019年は1.8%減の同1150万バレルとなった。一方で、米国の石油製品の消費見通しは上方修正されており、2018年の消費量は前回の見通しから0.4%増の日量2043万バレル、2019年は0.2%増の2068万バレルとされた。
米ノースカロライナ州や米サウスカロライナ州にハリケーン「フローレンス」が向かっていることで、上陸を控えて燃料需要が一時的に高まる見通しであることも支援要因。「フローレンス」はカテゴリー4と勢力が非常に強く、米国の石油の大動脈であるコロニアル・パイプラインが稼働を一時停止するリスクがある。コロニアル・パイプラインは米テキサス州から米北東部までの長距離パイプラインで、日量300万バレル超の輸送能力がある。昨年は熱帯性暴風雨「ハービー」によって同パイプラインの一部が稼働を停止した経緯がある。「フローレンス」は週末に上陸する見通し。上陸前にはカテゴリー3までやや勢力を弱めると予報されている。
ニューヨーク金先物12月限は小幅反発、金12月限終値は1202.20ドル、プラス2.40ドル。
金12月限は、反発。時間外取引では1198.1~1202.4ドルのレンジで推移、前日比0.5ドル安の1199.3ドルとなった。12月限は、高寄りしたのち、ドル相場次第の値動きとなり、もみ合いとなった。
立会時間は、ドル高を受けて時間外取引の安値を割り込み、売り圧力が強まった。テクニカル要因の売りが出ると、1192.7ドルまで下落した。ただその後はドルの上値が限られたことから買い戻されて下げ一服となり、1203.0ドルまで戻した。
英国の欧州連合離脱交渉に対する期待感から週明けにポンド主導でドル安となったが、この日はポンドが反落し、金の上値を抑える要因になった。ただファンド筋の売られ過ぎに対する懸念が残るなか、原油が急伸したことから、安値で買い戻しが入った。