6月14日
投資被害について
ニューヨークダウ101ドル高、エネルギー銘柄に買いが広がる
米国株式相場は上昇
ダウ平均は101.94ドル高の26106.77、ナスダックは44.41ポイント高の7837.13で取引を終了した。ホルムズ海峡近くで石油タンカー2隻が攻撃され、原油供給の先行き不透明感から原油相場が上昇し買いが先行。一方で、米中貿易摩擦を見極めたいとの思惑が根強いほか、ポンぺオ国務長官がタンカー攻撃をイランの責任と断定したことで地政学リスクが意識され、上値は限られた。
13日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円39銭で引けた
米国の新規失業保険申請件数が予想外に増加したほか、5月輸入物価指数が予想を下回ったためドル売りが優勢となった。また、石油タンカー2隻がホルムズ海峡近くで攻撃されたことなど、米国とイランの緊張激化で地政学的リスクが高まり、円買いが優勢となった。
ニューヨーク原油先物7月限は反発、原油7月限終値は52.28ドル、1.14ドル高
ホルムズ海峡付近のオマーン湾でタンカー2隻が攻撃を受けたことから、供給不安が高まった。ホルムズ海峡は石油輸送の要所で、世界の需要の2割近くの石油が日々通過しており、タンカーが航行できなくなった場合の影響は甚大。タンカー攻撃には機雷が用いられたとみられており、単なる武装組織の行動ではないという。ポンペオ米国務長官は具体的な証拠を示さなかったものの、攻撃の背後にイランがあるとの判断を示した。
米国はイランに対して経済制裁を課しつつ、弾道ミサイルや核開発の停止、シリアやイエメンなどへの介入中止を要求している一方で、イランは対話を求めている米国を拒絶している。イランは米国に対抗するためホルムズ海峡の安全な航行を警告した経緯があり、この海域で不穏な事態が発生した場合、イランに目が集まる。先月、アラブ首長国連邦の沖合で発生したタンカー攻撃もイランの仕業であるとみられている。
核開発を制限する6カ国合意を一方的に破棄した米国がイランに経済制裁を続けるなかで、イランは欧州などに対して米国の制裁から自国の石油・金融セクターを守るよう要求している。来月に入っても欧州がイランを守る手段を提供できなければ、イランは核開発合意の履行を一部停止し、ウラン濃縮を再開する。濃縮ウランは核兵器の原料となる。ただ、イラン最高指導者のハメネイ師は「核兵器の製造も保有も使用もしない。その意図はないし、すべきでない」と表明している。
ニューヨーク金先物8月限は続伸、金8月限終値は1343.70ドル、6.90ドル高
オマーン湾でタンカー2隻が攻撃を受けたことを受けて原油が急伸した。ポンペオ米国務長官は、機密情報のほか、使用された武器や攻撃に必要な手腕などを踏まえ、米政府はイランが背後にいたと判断していると述べた。一方、英国の与党・保守党の党首選で第1回投票が行われ、最有力候補のジョンソン前外相が最大得票を集めた。合意なき欧州連合の可能性が高まった。米経済指標では、米新規失業保険申請件数が予想外に増加、米輸入物価指数が5カ月ぶりの大幅な低下となり、米連邦準備理事会の利下げ観測が高まった。