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6月21日

投資被害について

ニューヨークダウ249ドル高、利下げ期待を好感も地政学リスクが重し

米国株式相場は上昇

ダウ平均は249.17ドル高の26753.17、ナスダックは64.02ポイント高の8051.34で取引を終了した。昨日の連邦公開市場委員会を受けて7月の利下げを確実視する見方が強まり、アジア・欧州株が全面高、米国株にも買いが先行。その後も堅調に推移したものの、米国とイランの軍事衝突の懸念から上値は限られた。S&P500は最高値を更新した。

20日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円30銭で引けた

米国の6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や5月景気先行指数が市場予想を下回ったほか、米連邦準備制度理事会によるすみやかな利下げ観測を受けたドル売りが一段と加速した。また、イランによる米ドローン撃墜を受けて米国の軍事行動への警戒感が強まり、リスク回避の円買いが広がった。


ニューヨーク原油先物8月限は大幅上昇、原油8月限終値は57.07ドル、3.10ドル高

イランの精鋭である革命防衛隊が米国の無人偵察機RQ-4グローバルホークを撃墜したことで、米国とイランの対立が一段と深刻化しており、中東情勢に対する懸念が強まった。イランは無人偵察機が同国南部ホルモズガン州の上空に侵入したと述べている一方で、米国はホルムズ海峡の国際空域を飛行中だったと主張している。米国がイラン核合意から離脱した後、米国の資産がイランによって攻撃を受けたのは初めて。

トランプ米大統領は「イランは極めて大きな過失を犯した」、「意図的な撃墜だとは信じがたい」と述べており、間違った攻撃だったとの認識をにじませている。グローバルホークは有人機ではなく、米兵の命が失われていないことも強調した。ただ、攻撃されたことについて耐えることはなく、対抗措置についてはすぐにわかるだろうと述べた。

米国がイランの核開発を制限する6カ国合意から昨年離脱し、対イラン制裁を再開しているなかで両国の関係は緊迫化を続けている。先月、今月とホルムズ海峡付近でタンカーが相次いで攻撃されたほか、イエメンのイスラム教シーア派武装組織フーシ派はサウジに対する攻撃の手を緩めていない。タンカー攻撃の犯人は特定されていないが、米国はイランが関与していると主張している一方で、イランは否定している。

来週28日、イランは核開発合意にとどまっている英独仏中露と合意維持に向けた協議をウィーンで行う。28日前後には、イラン国内の低濃縮ウランの貯蔵量が合意で定められた上限を上回る見通し。上限を越えると合意違反となる。

昨日の米連邦公開市場委員会の声明文や、パウエル米連邦準備理事会議長の会見を受けて米利下げ観測が強まったことも支援要因。金利見通しを示唆するドットプロットでは年内の利下げ支持が据え置き派に肉薄している。米経済が堅調さを維持しているなかで利下げとなれば、ガソリン需要なども含め消費を刺激する見通し。


ニューヨーク金先物8月限は大幅高、金8月限終値は1396.90ドル、48.10ドル高

米連邦公開市場委員会で利下げの可能性が示され、米国債の利回りが低下し、ドル安に振れたことが支援要因になった。またトランプ米大統領は、イランが米軍の無人偵察機を撃墜したことについて、イランは「極めて大きな過失を犯した」と述べた。イラン情勢に対する懸念が高まったことも金の支援要因になった。