6月27日
投資被害について
ニューヨークダウ11ドル安、米中協議への楽観的な見方が後退
米国株式相場はまちまち
ダウ平均は11.40ドル安の26536.82、ナスダックは25.25ポイント高の7909.97で取引を終了した。ムニューシン米財務長官が米中協議の合意に自信を示したほか、原油高が好感され、買いが先行。しかし、トランプ大統領が米中首脳会談で進展がない場合に巨額の追加関税を実施すると改めて警告すると上げ幅を縮小し、小動きとなった。
26日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円75銭で取引終了
6月29日に予定されている米中首脳会談で、通商協議の進展が期待されており、リスク選好の円売り・ドル買いが強まった。この日発表された5月の米製造業出荷・資本財速報値は、前月比+0.7%で市場予想を上回ったこともドル買い材料となったようだ。
ニューヨーク原油先物8月限は大幅反発、原油8月限終値は59.38ドル、1.55ドル高
米エネルギー情報局が発表した週報で、原油在庫が大幅に減少したほか、石油製品の在庫も取り崩されたことが好感された。石油需要が弱含みで推移していたなかで、原油と石油製品の在庫の合計は拡大する傾向にあったが、ピークアウトが鮮明になった。原油輸出量が日量377万バレルと過去最高水準を更新したことや、製油所稼働率が94.2%まで上昇したことが在庫減少の背景。米原油生産量は前週比10万バレル減の日量1210万バレルだった。5月最終週に日量1240万バレルまで拡大した後は伸び悩んでいる
米中通商協議についてムニューシン米財務長官が、「90%程度完了している。完了させるための道はあると思う」との認識を示したことは、世界的な景気減速と石油需要の下振れ懸念を後退させた。ロス米商務長官は「トランプ米大統領と習近平・中国国家主席がが通商協議を軌道に戻すことを期待する」と述べた。
ただ、トランプ米大統領は首脳会談後に中国からの輸入品3000億ドル分に追加関税を課す可能性を繰り返し示唆した。約3000億ドルに関税が賦課されると、中国からの輸入品ほぼすべてが追加関税の対象となる。首脳会談に対する警戒感は根強く、相場は高値から押し戻されて引けた。
ニューヨーク金先物8月限は弱含み、金8月限終値は1415.40ドル、3.30ドル安
前日に米セントルイス地区連銀のブラード総裁が7月の0.5%利下げを否定し、ドル高に振れたことが圧迫要因になった。この日は、ムニューシン米財務長官の発言を受けて米中首脳会談に対する期待感が出たが、トランプ米大統領が、中国の習近平国家主席と通商合意できない場合、中国製品に追加関税を発動する考えを示したことが下支えとなった。