8月6日
投資被害について
ニューヨークダウ767ドル安、中国の対抗措置を嫌気
米国株式相場は下落
ダウ平均は767.27ドル安の25717.74、ナスダックは278.03ポイント安の7726.04で取引を終了した。米中貿易摩擦の懸念からアジア・欧州株が全面安となり、米国株も全面安。中国が国有企業に米農産物輸入停止を要請したと伝わったほか、人民元が対ドルで一時11年ぶりの水準にまで下落した。トランプ大統領は為替操作と非難しており、米中対立による投資家心理の悪化を受けて、大幅下落となった。ダウ、ナスダック総合指数、S&P500は2ヵ月前の株価水準まで下落した。
5日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円00銭で引けた
米7月供給管理協会非製造業指数が予想外に悪化したほか、米中貿易摩擦の一段の深刻化で、米国経済の成長が減速するとの思惑から9月連邦公開市場委員会での50ベーシスポイントの利下げを織り込むドル売りに拍車がかかった。米国のトランプ政権が発表した追加関税への報復措置の一環として中国が人民元の下落を容認しているとの見方が強まった。人民元は対ドルで2008年以降の最安値を更新。
ニューヨーク原油先物9月限は反落、原油9月限終値は54.69ドル、0.97ドル安
米中貿易戦争が激化する方向にあることから、景気減速の長期化や石油需要の鈍化が警戒されている。米国と中国の石油需要は世界全体の3割超を占めることから、景気見通しの悪化は石油需要を曇らせる。通商協議に進展がみられないなか、トランプ米大統領は中国からの輸入品3000億ドル相当に9月1日から10%の追加関税を課すと発表している。協議の行方次第では、関税を25%まで引き上げることも示唆した。
トランプ米大統領が人民元安について、「中国の為替操作は重大な違反行為」であると批判していることも貿易摩擦の悪化を懸念させている。人民元相場は中国人民銀行の防衛ラインだった1ドル=7元の壁を上回る水準まで元安となっており、当局者もこの元安を容認すると伝わっている。元安は米国の対中関税強化の影響を和らげる。
米国に対する対抗措置として、中国商務省は国内企業による米国産農産物の輸入を停止したと発表した。8月3日以降に輸入手続きが行われた米国の農産品に対し関税をかけることもあり得るとの認識を示した。
ニューヨーク金先物12月限は続伸、金12月限終値は1476.50ドル、19.00ドル高
中国が1ドル=7元を超える人民元安を容認したことに加え、米国の農産品の輸入を停止し、貿易戦争の激化に対する懸念から、ドル安・株価急落が金の支援要因になった。また米連邦準備理事会の追加利下げ観測も高まった。ブレイナード米連邦準備理事会理事は、米株式相場の急落を注意深く見守っていると述べた。