9月5日
投資被害について
ニューヨークダウ237ドル高、中国の金融政策への期待広がる
米国株式相場は上昇
ダウ平均は237.45ドル高の26355.47、ナスダックは102.72ポイント高の7976.88で取引を終了した。中国人民銀行が近く預金準備率の引き下げを実施することが報じられたほか、香港で条例改正案が撤回され買いが先行。ニューヨーク及びダラス連銀総裁が講演で、景気見通しを注視するとの見解を示し、9月利下げへの期待から終日堅調となった。地区連銀経済報告では、7月と8月に米経済が緩やかに拡大したことが指摘された。
4日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円42銭で引けた
7月米貿易赤字は予想を上回ったことを嫌ってドル売りが優勢となったが、香港情勢が安定するとの期待や、中国の経済指標が予想を上回ったため、株高に連れたリスク選好の動きが再燃した。
ニューヨーク原油先物10月限は大幅反発、原油10月限終値は56.26ドル、2.32ドル高
香港の林鄭月娥・行政長官が「逃亡犯条例」改正案を正式に撤回したと発表したことが、長引く香港情勢の沈静化を連想させ、金融市場全体の警戒感を和らげた。一時は中国政府の軍事介入が警戒されていたが、デモ参加者にようやく譲歩する格好となった。香港情勢のさらなる混乱回避は、中国経済の不透明感を和らげ、石油需要の下振れ懸念を後退させている。中国は世界最大の原油輸入国。財新が発表した8月の中国サービス業購買部担当景気指数が前回値を上回ったことも相場を支援した。
英下院が欧州連合からの合意なき離脱を阻止する法案を可決したことは、現在の離脱期限である10月末にかけて高まりつつある警戒感を和らげ、株価とともに原油価格を押し上げた。ジョンソン英首相が離脱を強行すると英国が混乱するだけでなく、経済的なつながりの強いユーロ圏にも悪影響が及び、ユーロ圏の景気減速を後押しすることになる。
イランが7月に拿捕した英国籍のタンカーの乗組員のうち7人を解放したことや、同国のアッバス・アラグチ外務次官が、150億ドルの信用供与が得られるならば核合意に復帰する意向を示唆したことは、中東情勢懸念を和らげた。ただ、イランのロウハニ大統領は6日までに核合意の履行のさらなる後退について発表すると述べている。
ニューヨーク金先物12月限は小幅高、金12月限終値は1560.40ドル、4.50ドル高
香港行政長官が逃亡犯条例改正案の撤回を表明し、株高に振れたことが圧迫要因になった。ただ米中の通商協議再開に向けて進展が見られないなか、米連邦準備理事会の追加利下げ観測などを背景に押し目は買われて堅調となった。