9月13日
投資被害について
ニューヨークダウ45ドル高、欧州中央銀行の量的緩和再開を好感
米国株式相場は上昇
ダウ平均は45.41ドル高の27182.45、ナスダックは24.79ポイント高の8194.47で取引を終了した。欧州中央銀行が量的緩和策の再開を決定、欧州株がほぼ全面高となったことを受けて買いが先行。トランプ政権が10月1日に実施予定の対中関税の2週間延期を発表し、中国政府も米農産物の輸入再開を検討していることが伝わり、堅調推移となった。一方で、利益確定の動きや米中協議の行方に懐疑的な見方から上値は限られた。
12日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円11銭で引けた
トランプ米大統領が10月1日に予定されていた対中関税引き上げを15日まで先送りすると発表し、米中対立緩和で貿易協議での進展期待が広がりリスク選好の円売りが優勢となった。また、米8月消費者物価コア指数が予想以上に上昇し、1年ぶりの高水準となったため大幅な利下げ観測がさらに後退し、米債利回り上昇でドル買いが強まった。
ニューヨーク原油先物10月限は続落、原油10月限終値は55.09ドル、0.66ドル安
サウジアラビアやロシアを中心とした共同閣僚監視委員会で、減産規模の強化が見送られたことが嫌気された。サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は追加減産について12月の会合で協議すると語った。日量120万バレルの協調減産を維持することを決定し、生産枠を超過しているイラクやナイジェリアについては合意の遵守を求めた。ただ、サウジ・エネルギー相は、米国がイランに対する制裁措置を緩和し、イラン産原油の供給が拡大する場合には「意味のある手段をとる必要がある」との認識を示した。
トランプ米政権が中国に暫定的な貿易合意を提案することを協議したと関係筋の話として伝わった一方で、ホワイトハウス高官が暫定合意案を検討していないと語ったと報道されたことなど、米中通商協議を巡る動きは相場を揺さぶった。米国は知的財産や米国産農産物の購入に関して中国に暫定合意を求める一方で、一部の関税を発動延期・撤回するという。ただ、米中通商協議の停滞を打開するうえで、米国に動きがあることは相場を支援した。
欧州中央銀行がマイナス金利政策の強化や金利階層化のほか、量的緩和の再開を決めたことはユーロ圏の景気減速懸念を緩和し、需要下振れ懸念がつきまとう原油市場を下支えした。フォワードガイダンスや長期リファイナンスオペにも修正が加えられており、ハト派色が強かった。
ニューヨーク金先物12月限は小幅続伸、金12月限終値は1507.40ドル、4.20ドル高
欧州中央銀行理事会で、利下げや量的緩和再開など包括的な追加金融緩和策の導入を決定した。ただドラギ欧州中央銀行総裁は会見で金融政策が限界に近づきつつあるという見方を示しており、緩和策の効果に対する疑問が出た。一方、米中の通商協議で、トランプ米大統領の側近らが追加関税の一部先送りや撤回につながる限定的な合意案の提示を検討していると伝えられ、貿易摩擦に対する懸念が後退し、株高に振れた。