1月9日
投資被害について
ニューヨークダウ161ドル高、イラン情勢の緊張緩和を好感
ニューヨーク株式相場は上昇
ダウは161.41ドル高の28745.09、ナスダックは60.66ポイント高の9129.24で取引を終了した。前日終値の水準で寄り付いたものの、トランプ大統領が会見でイランとの更なる対立激化を望まない意向を示唆すると、大きく上昇する展開となった。
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円13銭で引けた
イランの報復攻撃を受けたトランプ米大統領は8日、ホワイトハウスで演説を行なったが、さらなる反撃の可能性は示唆せず、追加経済制裁を発表したため、中東情勢の緊張状態はある程度緩和された。そのため、リスク選好の動きが優勢となった。
ニューヨーク原油先物2月限は大幅続落、原油2月限終値は59.61ドル、3.09ドル安
イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官らが米国の爆撃によって殺害され、イランはイラクの米軍基地に向けて弾道ミサイルを発射し報復攻撃を行ったことから相場は一時急騰した。
ただ、イランは報復を一時中断し、米国が反撃しないようならば攻撃を中止するとした。イランのザリフ外相は「自衛のための相応の対応を実行した」、「戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する」と述べた。これに対してトランプ米大統領は予告に反してイランに反撃しない方針を明らかにしたことから、中東情勢懸念や供給下振れリスクがほぼ払拭された。イランの攻撃で石油関連施設の被害は発生していない。
演説を行ったトランプ米大統領は「昨夜の攻撃で米国民に死傷者はなかった」、「軍の拠点の損害は最小限」、「イランは攻撃の構えを緩めようとしているようだ」、「軍事力を行使したくない」と述べ、イランに新たな経済制裁を科す方針を示した。過激派組織IS滅亡に向けたイランとの共闘も示唆している。
米エネルギー情報局が発表した週報で、原油在庫が増加したことも重し。石油製品需要が2週連続で節目の日量2000万バレルを下回り、製油所稼働率が前週の94.5%から93.0%まで低下したことが原油在庫の積み増しにつながった。米原油輸出が過去最高水準から大きく減少したことも原油在庫が増加した背景。
ニューヨーク金先物2月限は反落、金2月限終値は1560.20ドル、14.10ドル安
イランがソレイマニ司令官殺害に対する報復として米軍基地を攻撃し、中東情勢に対する懸念が高まった。ただイランは戦争を求めていないとした。トランプ米大統領が軍事力を行使する必要はないとし、利食い売りなどが出た。