3月17日
投資被害について
ニューヨークダウ2997ドル安、新型ウイルス蔓延拡大で世界経済見通しが一段と悪化
米国株式相場は大幅下落
ダウ平均は2997.10ドル安の20188.52ドル、ナスダックは970.28ポイント安の6904.59ポイントで取引を終了した。
米連邦準備制度理事会が週末に緊急追加利下げでゼロ金利政策に踏み切り、量的緩和を再開することを発表したものの、大規模緩和が逆に投資家の恐怖感に繋がり寄り付きで「サーキットブレーカー」となり一時取引が停止。過去2週間で3回目のサーキットブレーカー発動となった。トランプ大統領が会見で、新型コロナウイルスによる危機が7-8月頃まで継続する可能性を警告すると、下げ幅を一段と広げ安値圏で引けた。
16日のニューヨーク外為市場でドル・円は106円47銭まで上昇して引けた
米連邦準備制度理事会による大規模緩和の発表や米国の3月ニューヨーク連銀製造業景気指数がマイナス成長に落ち込んだためドル売り優勢で始まった。その後、新型肺炎を巡る米国政府の会見での財政支援策の発表を期待するドル買いが再燃。
ニューヨーク原油先物4月限は大幅反落、原油4月限終値は28.70ドル、3.03ドル安
中国で発生した新型コロナウイルスが世界最大の石油消費国である米国で流行し、石油需要が一段と落ち込む見通し。米疾病対策センターは感染者数が1678人から3536人に増加したと発表した。欧州も含めて世界経済が新型肺炎によって圧迫されていることから、感染拡大が収まった中国でも経済活動の正常化が遅れ、石油需要が抑制されると見られていることも圧迫要因。中国は米国に次ぐ石油の消費大国。
主要国の中銀による協調的な金融緩和やドルの流動性供給、米戦略石油備蓄の拡大は特に材料視されていない。主要国の株価指数は大幅安で引けた。米国の主要3指数は10%超の下落率となった。主要7カ国首脳が緊急協議を行った後に公表した共同声明も景気後退懸念を抑制できていない。
サウジアラビアやロシアがシェア争いを激化させており、需要が落ち込むなかでも大幅に増産する見通しであることも圧迫要因。今月の石油輸出国機構会合で協議が決裂した後、両国に関係改善の兆しはみられない。原油安による設備投資の急減によって米国のシェールオイルは生産量が減少すると期待されているが、減産分はロシアやサウジが穴埋めする公算であるほか、米国のシェールオイルはまだ増産が続く見通し。
16日に米エネルギー情報局が公表した掘削生産性報告によると、4月の主要7地域のシェールオイル生産量は前月比1万8000バレル増の日量907万5000バレルまで増加し、過去最高水準を更新する見通し。大半の地域で減産が見込まれている一方で、シェールオイル生産の中心地であるパーミアンの増産が続き、全体としては生産量の拡大が続く見通し。
ニューヨーク金先物4月限は大幅に5日続落、金4月限終値は1486.50ドル、30.20ドル安
欧州で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、米連邦準備理事会が緊急利下げを発表し、各国中銀も協調した。ただ株安は止まらず、金の換金売りが続いたことが圧迫要因になった。