6月3日
投資被害について
ニューヨークダウ435ドル高、ハイテク株に買い戻しの動き
米国株式市場は反発
ダウ平均は435.05ドル高の33248.28ドル、ナスダックは322.44ポイント高の12316.90で取引を終了した。
寄り付きは下落。マイクロソフトがドル高の影響を加味し、4-6月の業績見通しを引き下げたことが嫌気された。連邦準備制度理事会のブレイナード副議長の発言が伝わり売りが強まったが、一時的な動きに留まり、その後上昇に転じると終日堅調に推移した。長期金利が落ち着いて推移したことはハイテク株への買いを誘い、特に足元で下げがきつかった半導体などの買い戻しの動きが強まったほか、石油輸出国機構プラスが増産拡大で合意したことでインフレ懸念が緩和され、景気敏感株や消費関連株に買いが入った。
2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、129円85銭で引けた
米国の5月ADP雇用統計の低下でドル売りとなり、週次の新規失業保険申請件数の改善をきっかけにドル買いになった。米10年債利回りは2.88%台に低下後、石油輸出国機構プラス会合後の原油価格急反発もあって2.94%台まで上昇した。ブレイナード米連邦準備制度理事会副議長の9月利上げ示唆もドル買いにつながったとみられる。
ニューヨーク原油先物7月限は続伸、原油7月限終値は116.87ドル、1.61ドル高
石油輸出国機構プラスが閣僚会合で増産ペースを拡大することで合意したものの、実質的な供給量が拡大しない見通しであることが相場を押し上げた。
石油輸出国機構プラスの会合前から様々な報道が飛び交い、市場参加者は増産に神経質となっていたが、石油輸出国機構プラスは9月の増産目標の拡大分を7月と8月に振り分けることで合意した。7、8月の増産目標は日量64万8000バレルとなる。従来は同43万2000バレルだった。
コロナショック後の協調減産の終了は9月から8月に前倒しとなった。石油輸出国機構プラスの実際の生産量は増産目標に届いておらず、西側の増産要請に対して表面的に対応することで決着した。ただ、これまで増産目標を達成できていない産油国は年内で生産を拡大し、未達分を埋め合わせする。目標を達成できるのか不明だが、石油輸出国機構プラスは形式的に年末まで増産努力を続けることになる。
米エネルギー情報局の週報で原油やガソリン、留出油の在庫が減少したことは支援要因。石油製品需要は日量1951万2000バレルと、高値が依然として消費を圧迫しているものの、需要が低迷するなかでも在庫の取り崩しが続いている。製油所稼働率は前回の93.2%から92.6%まで低下。ただ、消費は前年割れの水準で推移しているとはいえ、季節的な要因もあって4月以降のガソリン需要は穏やかに上向いている。4週間移動平均でガソリン消費は日量887万6000バレルまで増加。
ニューヨーク金先物8月限は強含み、金8月限終値は1871.40ドル、22.70ドル高
5月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は12万8000人増と、事前予想の30万人増を大きく下回った。ドル安に振れ、金の支援要因になった。ただ米連邦準備制度理事会のブレイナード副議長は今後数回の連邦公開市場委員会で50ベーシスポイントの利上げを実施することは理にかなうとした上で、9月に利上げをいったん停止する理由はほとんどないとの考えを示した。