6月30日
投資被害について
ニューヨークダウ82ドル高、重要インフレ指標を警戒
米国株式市場はまちまち
ダウ平均は82.32ドル高の31029.31ドル、ナスダックは3.65ポイント安の11177.89で取引を終了した。
1-3月期国内総生産や個人消費確定値が予想外に下方修正されたため、景気減速を警戒した売りに寄り付き後、下落。その後、連邦準備制度理事会のパウエル議長が参加した欧州中央銀行の年次フォーラムで経済の強さを強調したため警戒感が後退し、上昇に転じた。さらに、ドイツのインフレがピークに達した可能性が示唆されたため国内の金利も低下し投資家心理は改善し、ダウはプラス圏を維持。連邦準備制度理事会が重要視している個人消費支出コアデフレーターの発表を明日に控えた警戒感にナスダック総合指数は小幅下落で終了した。
29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円61銭で引けた
メスター・クリーブランド連銀総裁が7月米連邦公開市場委員会で0.75%の利上げを支持する姿勢を示したほか、パウエル連邦準備制度理事会議長が欧州中央銀行の年次フォーラムで、インフレを2%に引き下げることを強く再公約したため、金利先高観にドル買いが強まった。日米金利差拡大観測に円売りも加速。しかし、1-3月期国内総生産確定値が予想外に改定値から下方修正されたほか、同期個人消費確定値も予想外に改定値から下方修正され20年4-6月期以降で最低の伸びを記録。一方、同期価格指数は予想外に改定値から上方修正され、81年3月来の高水準となり、スタグフレーション懸念が強まり、金利低下に伴いドル買いが後退した。
ニューヨーク原油先物8月限は反落、原油8月限終値は109.78ドル、1.98ドル安
米エネルギー情報局が発表した2週間分の週報で、留出油の在庫の積み増しが続いたほか、ガソリン在庫が増加に転じたことが重しとなった。供給ひっ迫懸念が後退している。
米エネルギー情報局週報で製油所稼働率は95%と今年最高水準まで上昇し、製品在庫の増加に寄与した。石油製品需要が3週連続で日量2000万バレル割れと、需要が依然として低迷していることも在庫が増加した背景。ドライブシーズン入りしているが、ガソリン需要は4週間移動平均で日量893万バレルと伸び悩んでいる。米原油生産量は日量1210万バレルまで回復し、コロナショック後の最高水準を塗り替えた。ただ、戦略石油備蓄を含む原油在庫は9億1343万4000バレルまで減少し、2004年以来の低水準を更新。過去最大の戦略石油備蓄放出で民間在庫の減少は食い止められているが、米国全体の原油在庫は取り崩しが続いている。
ニューヨーク金先物8月限は弱含み、金8月限終値は1817.50ドル、3.70ドル安
米連邦準備制度理事会のパウエル議長は、消費者の物価上昇期待をあおる持続的な高インフレの方がより大きなリスクという見解を示した。米連邦準備制度理事会の大幅利上げ見通しに変わりはなく、ドル高に振れたことが金の圧迫要因になった。