8月3日
投資被害について
ニューヨークダウ402ドル安、米中緊張や大幅利上げを警戒
米国株式市場は続落
ダウ平均は402.23ドル安の32396.17ドル、ナスダックは20.22ポイント安の12,34876で取引を終了した。
ペロシ下院議長の台湾訪問を巡る中国の警告を受け、米中緊張の深刻化を警戒した売りに寄り付き後、下落。その後、ペロシ議長が問題なく台湾到着との報を受け、安心感から買戻しが強まり、下げ幅を縮小した。また、ハイテク株の買戻しが下支えとなった。しかし、数名の連邦準備制度理事会高官が講演やインタビューで、国内経済が景気後退には陥っておらず、高インフレの抑制が依然必要だと、9月連邦公開市場委員会でも0.75%の利上げも除外しなかったため金利が急伸すると売りが再燃。下げ幅を拡大し終了した。
2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、133円13銭で引けた
中国が軍事的対処も辞さないと警告する中、ペロシ米下院議長の台湾訪問を巡る米中緊張の深刻化でリスク回避のドル売り・円買いが強まった。ペロシ議長が介入なく台湾に到着し安心感が広がり、買戻しが強まった。その後、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が米連邦準備制度理事会は利上げする姿勢を緩めないとしたほかエバンス・シカゴ連銀総裁も9月連邦公開市場委員会で0.75%の利上げの可能性を除外せず、さらに、メスター・クリーブランド連銀総裁も、米国経済がリセッションだとは思わず、インフレ抑制にまだすべきことがあると、追加利上げを継続する姿勢を示したため大幅利上げ観測が再燃。債券利回り上昇に伴うドルの買戻しが強まった。
ニューヨーク原油先物9月限は小幅高、原油9月限終値は94.42ドル、0.53ドル高
石油輸出国機構プラスの閣僚会合を控えて買い戻しが優勢だった。米国の増産要請に対応する必要があるとみられている一方、追加の生産余力は乏しい。これまでの報道によると、生産量の据え置きか小幅な増産が検討されている。サウジアラビアが増産を支持しているとの報道もあったが、世界的な景気懸念が高まっているなかで主要産油国は慎重になっているもよう。
主要国の景気後退懸念が高まっていることは引き続き上値を抑えた。インフレと金利上昇が企業や消費者を圧迫している。3日には7月の米供給管理協会非製造業景気指数が発表される。
ペロシ米下院議長が台湾に到着したことで、米国と中国の対立が激化している。中国人民解放軍は台湾を取り囲むように軍事演習を開始する予定。西側各国が年内開始を想定しているロシア産石油価格の制限について、大口の取引先である中国が参加する可能性はかなり低下した。中国はロシアとの結びつきをさらに強める公算。
ニューヨーク金先物12月限は伸び悩み、金12月限終値は1789.70ドル、2.00ドル高
時間外取引では、ペロシ米下院議長の台湾入りを控え、米中の緊張感の一段の高まりから買い優勢で推移。日中取引では、序盤、一段高となり、1800ドル台に乗せた。しかし、中盤から米10年債利回り上昇、ドル高を背景に上げ幅を縮小し、かろうじてプラスサイドを維持して引けた。