8月31日
投資被害について
ニューヨークダウ308ドル安、大幅利上げや地政学的リスクの上昇を警戒
米国株式市場は続落
ダウ平均は308.12ドル安の31790.87ドル、ナスダックは134.53ポイント安の11883.14で取引を終了した。
値ごろ感の買いに寄り付き後、一時上昇。しかし、8月消費者信頼感指数や7月JOLT求人件数の予想を上回る良好な結果を受けて大幅利上げ観測が強まり、長期金利の上昇に連れて売られ、大幅下落に転じた。さらに、台湾が中国のものとされるドローンに初の威嚇射撃を行ったとの報道を受け、地政学的リスク上昇を警戒した売りに押され一段安となった。引けにかけても、警戒感がくすぶり戻りなく主要株式指数は下落で終了。
30日のニューヨーク外為市場でドル・円は、138円77銭で引けた
米8月消費者信頼感指数が予想以上に7月から改善したほか、7月JOLT求人件数も予想外の増加で過去最高水準付近で推移したため9月連邦公開市場委員会で3会合連続での0.75 %の利上げ観測が強まり、金利上昇に伴うドル買いが加速。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が利下げは少なくとも2024年まではないとの見通しを示したことも大幅利上げ観測を後押し。さらに、台湾軍が民間ドローンへの警告で始めて射撃を行ったとの報道を受け、地政学的リスクの上昇で有事のドル買いも強まった。
ニューヨーク原油先物10月限は反落、原油10月限終値は91.64ドル、5.37ドル安
世界的な景気悪化による石油需要の下振れ懸念が重し。先週末のパウエル米連邦準備制度理事会議長の講演後、米国は0.75%の大幅利上げを続けるとの観測が強まったほか、冬場のエネルギー危機に直面しているユーロ圏も景気後退に目をつむりつつ、インフレ抑制のために大幅な利上げに踏み切る必要があるとの観測が高まっていることが相場を圧迫した。来週の欧州中央銀行理事会における0.75%利上げが警戒されている。
欧州や英国で家計の電気代やガス料金の負担は例年の数倍に膨らむと警戒されている。脱ロシア、地球温暖化対策を背景としたコスト増が背景。物価高・金利高がこれから本格化する国が多く、リセッション懸念が広がっている。エネルギーコストが拡大し、景気後退の長さや深さに焦点が移りつつあるものの、ウクライナで軍事行動を続けるロシアと対話が始まる気配はない。
石油輸出国機構プラスの減産に注目が集まっているものの、来週5日の会合で主要産油国が減産を協議するのか今のところ不明。石油輸出国機構プラスの舵取り役であるサウジアラビアが減産を示唆してから、産油国からの発言は限られている。露タス通信が関係筋の話として「石油輸出国機構プラスは減産を協議していない」と報じたことが原油安の背景となった可能性はあるが、この報道は取り下げられている。
ニューヨーク金先物12月限は弱含み、金12月限終値は1736.30ドル、13.40ドル安
時間外取引では、ドルの先高感が警戒され、1740ドルが支持線ながら小安く推移。日中取引では、序盤こそ下値の堅い動きだったが、中盤にかけて米長期金利の上昇を嫌気し、下げが加速した。いったん下値を切り上げる動きとなったが、後半から終盤は再度、売り優勢となり、この日の安値圏での引けた。8月のコンファレンスボードの米消費者信頼感指数が強気の数字となり、ドルが堅調に推移が弱材料となった。なお米長期金利はニューヨーク金の引け後からニューヨーク時間の終盤に横ばい状態に戻し、前日と変わらず。