10月12日
投資被害について
ニューヨークダウは36ドル高、インフレ指標を警戒
米国株式市場はまちまち
ダウ平均は36.31ドル高の29239.19ドル、ナスダックは115.91ポイント安の10426.19で取引を終了した。
国際通貨基金による世界国内総生産見通し下方修正に加え、重要インフレ指標の発表を控え長期金利が最近の高水準付近に再び近づき警戒感から売りが先行し、寄り付き後、下落。その後、ニューヨーク連銀の9月1年期待インフレ率の低下で大幅利上げ観測が緩和し、買戻しが強まり一時上昇に転じた。しかし、引けにかけ、英中銀のベイリー総裁が市場機能回復のために実施していた緊急国債購入を計画通り今週で終了することを表明すると金融市場混乱への警戒感に伴う売りが再燃し、ダウは上げ幅を縮小。ナスダックは下落で終了した。
11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、145円82銭で引けた
ニューヨーク連銀の9月1年期待インフレ率が低下し2021年9月来で低水準となったことが明らかになると、大幅利上げ観測が緩和し米国債相場が下げ止まり、長期金利が伸び悩んだためドル売りが優勢となった。その後、3年債入札の不調で金利が再び上昇したほかインフレ指標発表控えたドル買い、英金融市場混乱を警戒し対ポンドでのドル買いに拍車がかかり一段高となった。
ニューヨーク原油先物11月限は続落、原油11月限終値は89.35ドル、1.78ドル安
世界的な景気悪化見通しが相場を圧迫した。インフレ高進を背景に主要国の中銀は政策金利の引き上げを続け、消費の減退を目指す見通し。今週の米生産者物価指数や米消費者物価指数をきっかけとしてインフレ懸念が落ち着く可能性は低いとみられている。
英中銀のベイリー総裁が英国債の緊急的な買い支えを今週で終了すると通告し、英金融市場が再び不安定化する可能性があることも重しとなった。同総裁は年金ファンドに対して残されているのは3日間であると述べたほか、英国の金融安定に深刻なリスクがあるとの認識を示した。
中国で新型コロナウイルスの流行が再び広がっており、コロナ対策禍で中国経済の低迷が続くとみられていることも売りを誘った。16日から始まる中国共産党大会を経てもゼロコロナ政策が続くリスクが意識されている。
ニューヨーク金先物12月限は強含み、金12月限終値は1686.00ドル、10.80ドル高
ドル高が一服する場面も見られたが、米クリーブランド地区連銀のメスター総裁が、金融引き締めを継続する必要があるとの認識を示したことをきっかけに上げ一服となった。またベイリー英中銀総裁が、国債買い入れ措置を巡り、延長しない方針を明言すると、ドル高に振れた。