3月3日
投資被害について
米国株式市場は上昇、慎重な利上げ期待が強まる
ダウ平均は341.73ドル高の33,003.57ドル、ナスダックは83.50ポイント高の11,462.98で取引を終了した。
百貨店メーシーズなど一部小売りの好決算を好感した買いが先行。小売企業の過剰な在庫処理が進み、業績回復期待に伴う買いが全体をけん引し、ダウ平均は終日堅調に推移した。一方、週次失業保険申請件数が予想外に減少、さらに10-12月期単位労働コスト改定値が予想を上回ったため、利上げ長期化の思惑から2年債利回りが2007年来の高水準に達しハイテクの重しとなった。ただ、終盤にかけアトランタ連銀のボスティック総裁が段階的な利上げを支持し、夏の利上げ停止の可能性を示唆したためナスダック総合指数もプラス圏に回復。株式相場は上げ幅を拡大して終了した。
2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円77銭で引けた
米10-12月期単位労働コスト改定値が予想以上に速報値から上方修正されたほか、米週次新規失業保険申請件数が予想外に前回から減少したため、労働市場のひっ迫継続や賃金インフレ上昇圧力で米連邦準備制度理事会の利上げが長期化するとの見方が一段と強まりドル買いが加速。その後、ボスティック米アトランタ連銀総裁がデータ次第としながらも3月連邦公開市場委員会で25ベーシスポイントの利上げが好ましいと段階的な利上げを支持する姿勢を示したほか、夏の利上げ停止の可能性に言及したため金利の上昇が一段落。ドル買いも後退した。
ニューヨーク原油先物4月限は強含み、原油4月限終値は78.16ドル、0.47ドル高
中国の需要回復が相場を押し上げた。中国やインドの需要拡大を背景に今年の世界的な需給は引き締まっていくとみられている。
ゼロコロナ政策が解除された後の中国経済は再開しており、石油需要がさらに高まっていく見通し。中国のロシア産原油の海上輸入が3月に過去最高水準を更新する可能性があると伝わっていることは中国の需要の強さを示唆した。比較的な安価なロシア産原油は世界最大の原油輸入国である中国にとって魅力的。西側の経済制裁を受けてもロシアの供給量が落ち込んでいないとみられることは圧迫要因だが、ロシアは3月に減産を実施する。
主要国のインフレ率が高止まりする兆候があり、利上げ局面が長期化する可能性があることは景気見通しを悪化させている。2月のユーロ圏消費者物価指数・速報値は前年比+8.5%と鈍化は限定的だった。ドイツやスペイン、フランスでは物価上昇率が再び加速している。
ニューヨーク金先物4月限は弱含み、金4月限終値は1840.50ドル、4.90ドル安
米国債の利回り上昇やドル高が圧迫要因になった。第4四半期の米非農業部門の単位労働コスト改定値は前期比3.2%上昇と速報値の1.1%上昇から上方改定された。
また米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の19万件となった。堅調な米労働市場を受けて米国債の利回りが上昇した。ただ2月のユーロ圏の消費者物価指数速報値は前年比8.5%上昇と前月の8.6%上昇から鈍化したが、事前予想を上回った。売り一巡後は買い戻された。