6月8日
投資被害について
米国株式市場はまちまち、ハイテク株の下げが重し
ダウ平均は91.74ドル高の33,665.02ドル、ナスダックは171.52ポイント安の13,104.9で取引を終了した。
目新しい材料がないなか寄り付きは買いが優勢。前日に続き製薬会社のメルクなど、ディフェンシブ銘柄が売られた一方、出遅れ感のあった景気敏感株の買いが目立った。建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム、原油相場の上昇を受け再生可能燃料会社のシェブロンが買われた。一方のナスダック指数はマイクロソフトやアップルなど大型ハイテク株の下落が重しとなり終日軟調に推移した。
7日のニューヨーク外為市場でドル・円は、140円17銭で引けた
米連邦準備制度理事会の利上げ停止観測によるとみられるドル売りが先行していたが、カナダ中銀のサプライズ的な3会合ぶりの利上げ発表後、米10年債利回りが3.79%台まで上昇した動きにともないドル買いが広がった。
ニューヨーク原油先物7月限は反発、原油7月限終値は72.53ドル、0.79ドル高
7月にサウジアラビアが追加で日量100万バレル減産することや、米エネルギー情報局の週報で製油所稼働率が95.8%まで一段と高まったことが相場を押し上げた。ドライブシーズンの本格化を控えて、製油所稼働率はすでに繁忙期並みの水準に達している。米国の石油生産の中心地である米メキシコ湾岸の製油所稼働率は98.8%まで高まっており、増産余力はあまりない。
ただ米エネルギー情報局週報で原油輸出が減少し原油在庫の減少幅が限られたことは上値を抑えた。製油所稼働率の上昇を背景に供給が増加し、製品在庫が積み増しとなったことも圧迫要因。石油製品需要は日量1922万1000バレルまで減少し、節目の同2000万バレルを下回って低調に推移している。
5月の中国の原油輸入量が日量1211万バレルと、前年5月の同1079万バレルから増加したことは支援要因。ゼロコロナ政策が解除された後の輸入量は上向き。ただ5月の中国貿易統計からは世界的な景気悪化が意識された。
ニューヨーク金先物8月限は下落、金8月限終値は1958.40ドル、23.10ドル安
5月の中国の貿易統計で輸出が前年比7.5%減と前月の8.5%増から急減した。事前予想の0.4%減も下回った。一方、カナダ銀行は政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、22年ぶりの高水準となる4.75%とした。事前予想では4.50%で金利据え置きが見込まれていた。インフレ高止まりに対する懸念が示された。