12月1日
投資被害について
ニューヨークダウは520ドル高、底堅い景気に期待感
米国株式市場はまちまち
ダウ平均は520.47ドル高の35,950.89ドル、ナスダックは32.27ポイント安の14,226.22で取引を終了した。
インフレ指標が想定通り鈍化の兆候を示し利上げ終了観測が好感され、寄り付き後上昇。11月シカゴ購買部協会景気指数が拡大域を回復するなど、景気の底堅さが確認されるとダウは上げ幅を拡大。管理医療会社のユナイテッドヘルスの上昇なども手伝い終盤にかけダウは一段高となった。一方、長期金利が上昇に転じたためハイテクは売られまちまちで終了。
30日のニューヨーク外為市場でドル・円は148円20銭で引けた
米10月コア個人消費支出価格指数の伸びが想定通り鈍化し21年4月来で最低となったほか失業保険申請件数の増加で労働市場の減速も証明され、利上げ終了が正当化されるとの見方にいったんドル売りが優勢となった。しかし11月シカゴ購買部協会景気指数が予想外に50を回復し昨年5月来で最高となると金利上昇でドルの買い戻しが加速。月末の実需買いも強まったと見られる。
ニューヨーク原油先物1月限は反落、原油1月限終値は75.96ドル、1.90ドル安
石油輸出国機構プラスの閣僚会合で来年初めにかけての自主減産の拡大が合意に至ったものの、合意内容が失望されたことから売りが強まった。
事前の段階で最も楽観的な報道では、最大で日量200万バレルの協調減産の拡大が期待されていた。ただ今回合意に至った原油の日量200万バレルの自主減産のうち、サウジアラビアやロシアの供給制限を除き、アラブ首長国連邦の2024年からのベースライン引き上げを考慮すると、減産の上積みが日量60万から70万バレル程度にしかならないことが落胆につながった。ロシアは日量20万バレルの石油製品の輸出も削減するが、需給バランスへの影響は限定的とみられている。
産油国の舵取り役であるサウジアラビアは負担の分担を望んでいると伝わっていたものの、石油輸出国機構プラス全体での減産には至らず、サウジやロシアの生産削減の延長が新たな合意の大部分を占めている。アフリカ産油国のベースライン修正は合意に至らなかった。
来年1月からブラジルが石油輸出国機構プラスに参加する見通しであることは支援要因。ブラジルの原油生産量は日量320万バレルと、イランとほぼ同水準。ただ関係筋の話として、ブラジルが協調減産に参加することはないと伝わっている。
ニューヨーク金先物2月限は弱含み、金2月限終値は2057.20ドル、9.90ドル安
10月の米個人消費支出価格指数は前年比3.0%上昇と前月の3.4%上昇から伸びが鈍化し、21年3月以来の低水準となった。ただ米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、米連邦準備制度理事会が利上げに終止符を打つかどうか「知るにはまだ時期尚早だ」と述べたことが金の上値を抑える要因になった。