ニューヨーク市況 10月10日
投資被害について
NY株式:ダウは88ドル高
NYダウ 終値 :18329.04 前日比:+88.55
始値 :18282.95 高値 :18399.96 安値 :18282.95
10日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は88.55ドル高の18329.04、ナスダックは36.27ポイント高の5328.67で取引を終了した。
ロシアのプーチン大統領が石油輸出国機構と協力して、石油減産に応じる用意があると発言したことで、原油相場が4ヶ月ぶりに高値を更新したことから欧州株が全面高となり米国株にも買いが先行。
ピープルズ・ユナイテッド・ウェルス・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、ジョン・コンロン氏は「この日の上昇は、プーチン大統領が増産凍結や減産を前向きに考えていると明らかにしたことが理由のようだ。今後3週間は決算発表シーズンが注目を集める。企業決算で、金利や原油をめぐる協議は脇に追いやられるだろう」と語った。
昨日の米大統領選両候補による2回目の討論会でも、民主党のヒラリー候補が優勢との見方が多く、政治の先行き不透明感が後退したとの安心感も広がり、終日堅調推移となった。
明日予定されている非鉄金属のアルコアを皮切りに7-9月期決算発表シーズンに入る。決算発表シーズンに入ることで主要企業の足元の業績や見通しに注目が集まるため、株価収益率などで割安感のある銘柄の株価水準が見直される。
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、103円61銭で、ユーロ・ドルは、1.1139ドルで引けた。ユーロ・円は、115円74銭まで上昇した。ポンド・ドルは、1.2345ドルへ下落。欧州連合との離脱交渉が英国側に不利になるとの懸念がポンド売りにつながった。
10日のNY原油先物は大幅反発、11月限終値は51.35ドル、プラス1.54ドル、10日トルコのイスタンブールで開催された世界エネルギー会議に出席したロシアのプーチン大統領は、「石油輸出国機構(OPEC)が11月に生産枠の上限設定で合意することをロシアは希望している」と表明した。
みずほセキュリティーズUSAの先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は「ニュース主導の相場展開だ。イスタンブールに産油国が勢ぞろいしている間はこの状況は続く」と指摘。「まずサウジの発言が伝えられ相場はプラス圏に浮上し、さらにロシアのコメントで勢い付いた」と説明した。
また、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相も11月のOPEC総会に向けて、減産の枠組み合意には「楽観的」との認識を示した。非加盟国最大の産油国であるロシアの方針を受けて、需給引き締めへの思惑が高まる格好となった。
日足チャートでは6月9日の年初来高値51.67ドル付近まで上昇している。買い一巡後は上値が重くなったが、為替市場でドルが強含んだなか、しっかりとした推移が見られた。
10日のNY金先物は7日ぶりに反発、12月限終値は1260.40ドル、プラス8.50ドル。足元の下落に対する短期的なリバウンドが入ったもよう。一部市場関係者は「国慶節明けの中国人投資家が押し目買いを入れた」とも指摘している。ただ、出来高が伴っていないことから戻りは弱いとの見方も。
テクニカル面では、200日移動平均線で下げ渋っている。短期的な急落に対する反発は入りやすいものの、上値をじりじりと切り下げるなか下放れたことからトレンドは悪化している。