行政処分・事例 | 先物取引、スカイプレミアム、フリッチクエスト、投資被害、排出権、CO2

東京アジアレプカラン㈱に対し業務廃止 行政処分について

平成28年10月14日
関東財務局:発表
 

1.東京アジアレプラカン株式会社(東京都千代田区、法人番号7010001164373、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた(平成28年10月7日付)。

 当社は、適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)として、自らを営業者とする3つの匿名組合の権利の取得勧誘及び出資金の運用を行っている(出資者:延べ75名、出資総額:約2.7億円)。今回検査において、当社の特例業務の運営状況を検証したところ、以下の問題が認められた。

(1)無登録で投資運用業を行っている状況
 当社は、レプラカン匿名組合(以下「レプラカンファンド」という。)について、合同会社CHERISH(特例業務届出者。同社に対する検査結果は平成28年4月22日に公表済。以下「C社」という。)が無限責任組合員を務めるGRACE投資事業有限責任組合(以下「GRACE LPS」という。)から適格機関投資家として出資(以下「適格機関投資家出資」という。)を受けたとしている。
  しかしながら、当社は、GRACE LPSからの適格機関投資家出資に先立ち、C社の代表社員である松浦直樹氏に対し、架空のコンサルティング報酬名目で出資額に相当する金銭を支払っており、実際には当社が出資金を負担している状況が認められた。
  したがって、レプラカンファンドに対するGRACE LPSからの出資金は、適格機関投資家出資がなされているかのような外観を仮装したものに過ぎず、適格機関投資家出資とは到底評価し得ないものであり、当該ファンドは、平成27年法律第32号による改正前の金融商品取引法第63条第1項第1号及び第2号に規定する特例業務の要件を満たしていない。

 当社が行った上記の行為は、金融商品取引法第28条第4項に規定する「投資運用業」に該当し、当社が同法第29条に基づく登録を受けることなく、当該行為を行うことは、同条に違反するものと認められる。 

(2)投資者保護上問題のある業務運営
 当社のストールファンドに係る業務運営の状況を検証したところ、以下の問題が認められた。

ア 不適切な分配金の支払いを行っている状況
 ストールファンドの匿名組合契約約款(以下「約款」という。)においては、運用収益の中から分配金を支払うことが定められていた。また、運用収益の算定においては、実現益のみならず評価損を考慮することが前提とされていた。
  しかしながら、当社は、評価損を考慮せず、実現益のみに基づき運用収益を算定し、評価損の状況を顧客に報告することなく、出資金を原資として、運用収益を上回る分配金を顧客に支払った。

イ 不当に営業者報酬を受領している状況
 当社は、ストールファンドの運用における日経225先物取引において、営業者報酬(成功報酬)を得ることを目的として、相場の変動にかかわらず必ず一方の取引で実現益が出せる両建て取引を複数回にわたり行うことにより、見せかけの実現益を出し、出資金を原資として、不当に営業者報酬(成功報酬)を受領した。

ウ 出資金を流用して中途解約者の解約償還金を支払っている状況
 当社は、運用元本の毀損による顧客からの苦情や紛争が発生することをおそれ、中途解約者に対して適正な償還金額を上回る解約償還金を支払うため、出資金を流用した。

エ 純資産額を無視して顧客に誤った出資口数を取得させている状況
  約款において、出資口数は、出資金額を一口あたりの純資産額で除した値とすると定められている。しかしながら、当社は、ストールファンドの純資産額が変動しているにもかかわらず、事務が煩雑になる等の理由から、全ての出資に対して一口1円として出資口数を算定し、約款に反する不公平な方法により出資口数の割り当てを行っていた。

 当社が行った上記アからエの行為は、投資者保護上重大な問題があると認められる。また、当社は、検査基準日(平成28年4月18日)現在においても、何ら業務運営の改善を図っておらず、出資金が毀損している状況等について顧客への説明を一切行っていないなど、著しく不適切な業務運営を継続している。
 以上のことから、当社の業務運営は、金融商品取引法第63条の5第1項に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

 2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第63条の5第3項の規定に基づき、下記(2)については同法同条第1項の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

 

1) 業務廃止命令
 適格機関投資家等特例業務にかかる全ての業務を廃止すること。

(2) 業務改善命令
1)当社が適格機関投資家等特例業務に関して関与した全てのファンド(以下「ファンド」という。)について、ファンド持分を取得した全ての出資者に対し、行政処分の事実及び理由について説明を行うこと。
2)ファンド財産の運用・管理の状況を早急に把握し、ファンド出資者に対し、当該状況その他必要な事項の説明を行うこと。
3)ファンド出資者の意向を踏まえ、ファンド財産の返還等に関する方針を速やかに策定し、実施すること。
4)ファンドの出資者間の公平に配慮しつつ、出資者保護に万全の措置を講ずること。
5)上記1)から4)までの対応・実施状況について、完了までの間、書面により随時報告すること。

 
 

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