FIP投資顧問株式会社に対する業務停止命令について
平成31年3月25日
引用元-関東財務局
1.FIP投資顧問株式会社(東京都中央区、法人番号3010001127433)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(平成31年3月12日付)
(1) 金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
当社は、無料のメールマガジンの配信を申し込んだ者約2万名に対し、平成30年9月から同年11月までの間、買い推奨の実績のある銘柄に関し、投資助言後の一部期間における株価上昇率を取り出し、これをあたかも助言後、短期間で急騰したかのような表示等を行って、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。
このように、当社は、投資顧問契約の締結の勧誘に関して、投資助言の実績という重要な事項に関し、誤解を生ぜしめるべき表示により勧誘を行っていたものと認められる。
当社の上記行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。
このような法令違反行為が行われた背景として、SUZUKI DAIGORO NAMI代表取締役や橋本諭管理本部責任者(平成28年9月1日から同30年7月1日まで当社代表取締役、同日から同31年2月22日まで当社取締役を兼務。以下「橋本前代表」という。)の営業推進を最優先し、法令等遵守意識が欠如していることにあるものと認められる。
(2) 前代表による会社資産の私的費消等について
当社の橋本前代表は、平成28年9月の代表取締役就任時から、経理業務全般も兼任し、当社の預金管理、支払業務全般、決算書類の作成等の業務を一人で行っていた。
このような状況下、橋本前代表は、代表取締役に就任以降、当社の預金口座から毎月多額の出金をし、これを私的な遊興費等に費消しており、その額は少なくとも3400万円にのぼっている。
また、当社は、橋本前代表が私的に費消した現金について、その事実を隠蔽した虚偽の決算書類を作成し、当該決算書類を含む事業報告書を関東財務局長に提出した。
上記のとおり、当社では、役職員による不正行為を未然に防止するための業務運営態勢が構築されていないため、代表取締役等の地位にある者が、今回検査において発覚するまでの2年3ケ月間にわたって会社資産を費消していた。その結果、当社の財務に多大な影響を及ぼす状況となっており、ひいては、安定的な業務運営を困難ならしめ、投資顧問契約を締結した顧客に影響を及ぼしかねない状況となっている。
このような当社の業務運営の状況は、金融商品取引法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当すると認められる。
また、虚偽の事業報告書を関東財務局長に提出した行為は、同法第47条の2に違反するものと認められる。
2.以上のことから、本日、当社に対し、以下の行政処分を行った。
記
(1)業務停止命令
新たな投資顧問契約(契約金額の増額を伴う変更契約を含む。)の締結に係る勧誘・契約締結を平成31年3月25日から平成31年4月24日まで停止すること。
(2)業務改善命令
1) 本件の発生原因を分析し、業務を適切に遂行するための業務運営態勢及び内部管理態勢を早急に構築するとともに、実効性の高い内部監査を実施するなどして役職員に対するけん制態勢を構築すること。
2) 役職員による不適切な行為を防止するための実効性の高い再発防止策を策定し、すみやかに実施すること。
3) 全ての顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。
4) 本件法令違反行為の責任の所在を明確にすること。
5) 上記1)から4)までについて、具体的な改善策を平成31年4月24日までに書面により報告すること。
専門でないと、
「あきらめなさい」
「どうせ取り返せない」などと言われます。
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