行政処分・事例 | 先物取引、スカイプレミアム、フリッチクエスト、投資被害、排出権、CO2

㈱i tec japan・ファースト(木村直人)・㈱ライズに対する行政処分について

特定商取引法違反の3事業者に対する業務停止命令(6か月又は3か月)又は取引等停止命令(3か月)及び指 示並びに当該業者の代表取締役等3名に対する業務禁止命令(6か月又は3か月)について
~国(消費者庁)と地方公共団体(東京都)による連携調査・同時行政処分~

令和2年3月26日
引用 消費者庁

【訪問販売業者2事業者】
○ 消費者庁及び東京都は、それぞれ、バイナリーオプション取引(※1)に係るUSBメモリ(以下「本件商品」(※2)といいます。)の訪問販売業者である株式会社i tec japan(東京都品川区)(以下「アイテック」といいます。)及びファーストこと木村直人(東京都世田谷区)(以下「ファースト」といいます。)に対し、令和2年3月25日、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」といいます。)第8条第1項の規定に基づき、令和2年3月26日から令和2年9月25日までの6か月間、訪問販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました(以下それぞれ「アイテックに対する本件業務停止命令」及び「ファーストに対する本件業務停止命令」といいます。)。

〇 あわせて、消費者庁及び東京都は、それぞれ、アイテック及びファーストに対し、特定商取引法第7条第1項の規定に基づき、今回の行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築することなどを指示しました。

〇 また、消費者庁及び東京都は、それぞれ、アイテックの代表取締役前田朗及び取締役福島裕基に対し、特定商取引法第8条の2第1項の規定に基づき、令和2年3月26日から令和2年9月25日までの6か月間、アイテックに対する本件業務停止命令により業務の停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を含む法人の当該業務を担当する役員となることを含みます。)の禁止を命じました。
消費者庁及び東京都は、それぞれ、木村直人に対し、特定商取引法第8条第1項の規定に基づき、令和2年3月26日から令和2年9月25日までの6か月間、ファーストに対する本件業務停止命令により業務の停止を命ずる範囲の業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることの禁止を命じました。

【連鎖販売業者1事業者(訪問販売にも該当)】
〇 消費者庁及び東京都は、それぞれ、本件商品(※2)の連鎖販売業者及び訪問販売業者である株式会社ライズ(東京都世田谷区)(以下「ライズ」といいます。)に対し、令和2年3月25日付けで、特定商取引法第8条第1項の規定に基づき訪問販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)を、同法第39条第1項の規定に基づき連鎖販売取引に関する取引の一部等(勧誘(勧誘者に行わせることも含みます。申込受付も同じ。)、申込受付及び契約締結)を、令和2年3月26日から令和2年6月25日までの3か月間、それぞれ停止するよう命じました(以下それぞれ「ライズに対する本件業務停止命令」及び「本件取引等停止命令」といいます。)。

〇 あわせて、消費者庁及び東京都は、それぞれ、ライズに対し、特定商取引法第7条第1項及び第38条第1項の規定に基づき、今回の行為の発生原因について、調査分析の上検証することなどを指示しました。

〇 また、消費者庁及び東京都は、それぞれ、ライズの代表取締役木村直人に対し、特定商取引法第39条の2第1項の規定に基づき、令和2年3月26日から令和2年6月25日までの3か月間、本件取引等停止命令により取引等の停止を命ずる範囲の連鎖販売取引に係る業務を新たに開始すること(当該業務を含む法人の当該業務を担当する役員となることを含みます。)の禁止を命じました。

○ なお、本件は、特定商取引法の規定に基づく調査において、消費者庁及び東京都が連携を図り、それぞれ、同法に基づく行政処分を令和2年3月25日付で実施したものです。

※1 バイナリーオプション取引とは、為替相場等が上がるか下がるかを予想するもので、取引期間終了時(権利行使期限)に事前に定めた権利行使価格を上回った(又は下回った)場合に、一定額の金銭(ペイアウト)を受け取ることができる取引です。
※2 アイテック、ファースト及びライズが販売する商品名は、それぞれ、「Project advance及びEspresso」、「dmt及びLatte」及び「SC及びLatte」です。

 

1 処分対象事業者
(1)株式会社i tec japan
ア 名称:株式会社i tec japan
(法人番号:6010401136799)
イ 本店所在地:東京都品川区西五反田二丁目25番9号サンロイヤル五反田401
ウ 代表者:代表取締役 前田朗(まえだあきら)
エ 設立:平成30年2月16日
オ 取引類型:訪問販売

(2)ファーストこと木村直人
ア 氏名:木村直人(きむらなおと)
イ 屋号:ファースト
ウ 事業所所在地:東京都世田谷区池尻三丁目30番6号フェリーチェ池尻601
エ 設立:平成31年4月1日(営業開始日)
オ 取引類型:訪問販売

(3)株式会社ライズ
ア 名称:株式会社ライズ
(法人番号:2010901044431)
イ 本店所在地:東京都世田谷区池尻三丁目30番6号フェリーチェ池尻601
ウ 代表者:代表取締役 木村直人(きむらなおと)
エ 設立:令和元年6月21日
オ 取引類型:連鎖販売取引、訪問販売

2 特定商取引法に違反する行為等
(1)アイテック及びファースト
ア 氏名等の明示義務に違反する行為(販売業者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)(特定商取引法第3条)
イ 商品の性能につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項)
ウ 迷惑勧誘(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号。以下「施行規則」という。)第7条第1号)
エ 顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第3号)
オ 売買契約の相手方の支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第6号イ)

(2)ライズ
ア 氏名等の明示義務に違反する行為(販売業者又は統括者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)(特定商取引法第3条及び第33条の2)
イ 顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第3号及び同法第38条第1項第4号の規定に基づく施行規則第31条第6号)
ウ 売買契約の相手方の支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第6号イ及び同法第38条第1項第4号の規定に基づく施行規則第31条第8号イ)

 

株式会社i tec japanに対する行政処分の概要

1 処分対象事業者
(1)名 称:株式会社i tec japan
(法人番号:6010401136799)
(2)代表者:代表取締役 前田 朗(まえだ あきら)
(3)所在地:東京都品川区西五反田二丁目25番9号サンロイヤル五反田401
(4)資本金:100万円
(5)設 立:平成30年2月16日
(6)取引類型:訪問販売
(7)取扱商品:「Project advance」と称するバイナリーオプション取引に係る学習用プログラミングツールが内蔵されたUSBメモリ及び「Espresso」と称する当該ツールを稼働させるためのUSBメモリ(以下これらを併せて「本件商品」という。)

2 事業概要
株式会社i tec japan(以下「同社」という。)は、同社から本件商品を既に購入し同社と本件商品の営業に係る業務委託契約を締結している者(以下「営業員」という。)をして、同社の営業所等以外の場所である喫茶店等において、本件商品の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結させていることから、このような同社が行う本件商品の販売は、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売に該当する。

3 処分の内容
(1)業務停止命令
同社は、令和2年3月26日から令和2年9月25日までの間、訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
ア 同社の行う訪問販売に関する売買契約の締結について勧誘すること。
イ 同社の行う訪問販売に関する売買契約の申込みを受けること。
ウ 同社の行う訪問販売に関する売買契約を締結すること。

(2)指示
ア 同社は、特定商取引法第3条に規定する氏名等の明示義務に違反する行為(販売業者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)、同法第6条第1項の規定により禁止される商品の性能につき不実のことを告げる行為並びに同法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号。以下「施行規則」という。)第7条第1号の規定に該当する訪問販売に係る売買契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をする行為、同条第3号の規定に該当する顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行う行為及び同条第6号イの規定に該当する訪問販売に係る売買契約の相手方に当該契約に基づく債務を履行させるため、支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為をしている。かかる行為は、特定商取引法の規定に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、当該行為の再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築して、これを同社の役員及び営業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
イ 同社は、訪問販売により、本件売買契約を締結しているものであるところ、平成30年7月1日から令和2年3月25日までの間に、同社との間で訪問販売により本件売買契約を締結した全ての相手方(以下「契約の相手方」という。)に対し、以下の事項を、同社に対して前記(1)の業務停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和2年4月27日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに文書(通知したことを証明するに足りる証票及び通知書面を添付すること。)により報告すること。なお、令和2年4月8日までに、契約の相手方に発送する予定の通知文書の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに文書により報告し承認を得ること。
(ア)前記(1)の業務停止命令の内容
(イ)本指示の内容
(ウ)同社は、遅くとも平成30年7月以降、訪問販売に係る本件売買契約の締結について勧誘をするに際し、実際には、本件商品には人工知能が搭載されていないにもかかわらず、あたかも、本件商品に人工知能が搭載されているため、その機能により、本件商品を使ってバイナリーオプション取引を行えば容易に稼ぐことができるかのように告げていること。

4 処分の根拠となる法令
特定商取引法第7条第1項及び第8条第1項

5 処分の原因となる事実
同社は、以下のとおり、特定商取引法に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、訪問販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。

(1)氏名等の明示義務に違反する行為(販売業者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)(特定商取引法第3条)
同社は、遅くとも平成30年12月以降、訪問販売をしようとするとき、その勧誘に先立って、その相手方に対し、「投資を始めたんだけど、まじでやばい。」、「投資で稼いでるからバイトをやる必要がない。」、「投資の先輩で稼いでいるすごい人がいて、もしかしたら会ってもらえるかもしれない。」、「話だけでも聞いてみない。」などと告げるのみで、同社の名称、本件売買契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにしていない。

(2)商品の性能につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項)
同社は、遅くとも平成30年7月以降、本件売買契約の締結について勧誘をするに際し、実際には、本件商品には人工知能が搭載されていないにもかかわらず、あたかも、本件商品に人工知能が搭載されているため、その機能により、本件商品を使ってバイナリーオプション取引を行えば容易に稼ぐことができるかのように告げている。

(3)迷惑勧誘(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第1号)
同社は、遅くとも平成30年6月以降、午後8時以降も、翌朝に至るまで長時間にわたり勧誘を続け、その際、本件商品の購入の意思を示さない消費者に対し、「俺が始めたときは54万円を持ってなかったから、学生ローンでお金を借りてシステムを買ったよ。」、「学生ローンで借りても、すぐに返せるから大丈夫だよ。」、「絶対返せるから。」などと告げて執ように勧誘するなどして、訪問販売に係る本件売買契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をしている。

(4)顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第3号)
同社は、遅くとも平成30年6月以降、学生であり、投資経験がなく、月に平均して6万円程度又はそれ以下の収入しかなく、その他特段の財産もない消費者に対して、短期間に繰り返し取引をすることにより損失額が大きくなるおそれのある投資に関する、53万7000円と高額な本件売買契約の締結について勧誘し、もって顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行っている。

(5)売買契約の相手方に支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第6号イ)
同社は、遅くとも平成30年6月以降、本件売買契約の相手方に当該契約に基づく債務を履行させるため、当該相手方が本件商品の購入資金を貸金業者から借り入れるに際し、貸金業者に対して、「バイトを週に5回していて、月15万円を安定して稼いでいる。」などと申告するよう指示するなどして、訪問販売に係る本件売買契約の相手方の支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせている。

 

ファーストこと木村直人に対する行政処分の概要

1 処分対象事業者
(1)氏 名:木村 直人(きむら なおと)
(2)屋 号:ファースト
(3)所 在 地:東京都世田谷区池尻三丁目30番6号フェリーチェ池尻601
(4)設 立:平成31年4月1日(営業開始日)
(5)取引類型:訪問販売
(6)取扱商品:「dmt」と称するバイナリーオプション取引に係る学習用プログラミングツールが内蔵されたUSBメモリ及び「Latte」と称する当該ツールを稼働させるためのUSBメモリ(以下これらを併せて「本件商品」という。)

2 事業概要
ファーストこと木村直人(以下「同人」という。)は、同人から本件商品を既に購入し同人と本件商品の営業に係る業務委託契約を締結している者(以下「営業員」という。)をして、同人の営業所等以外の場所である喫茶店等において、本件商品の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結させていることから、このような同人が行う本件商品の販売は、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売に該当する。

処分の内容
(1)業務停止命令
同人は、令和2年3月26日から令和2年9月25日までの間、訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
ア 同人の行う訪問販売に関する売買契約の締結について勧誘すること。
イ 同人の行う訪問販売に関する売買契約の申込みを受けること。
ウ 同人の行う訪問販売に関する売買契約を締結すること。

(2)業務禁止命令
同人は、令和2年3月26日から令和2年9月25日までの間、訪問販売に関する業務のうち、次の業務を営む法人の当該業務を担当する役員(業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)となることを禁止する。
ア 訪問販売に関する売買契約の締結について勧誘すること。
イ 訪問販売に関する売買契約の申込みを受けること。
ウ 訪問販売に関する売買契約を締結すること。

(3)指示
ア 同人は、特定商取引法第3条に規定する氏名等の明示義務に違反する行為(販売業者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)、同法第6条第1項の規定により禁止される商品の性能につき不実のことを告げる行為並びに同法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89条。以下「施行規則」という。)第7条第1号の規定に該当する訪問販売に係る売買契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をする行為、同条第3号の規定に該当する顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行う行為及び同条第6号イの規定に該当する訪問販売に係る売買契約の相手方に当該契約に基づく債務を履行させるため、支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為をしている。かかる行為は、特定商取引法の規定に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、当該行為の再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築して、これを同人の役員及び営業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
イ 同人は、訪問販売により、本件売買契約を締結しているものであるところ、平成31年4月1日から令和2年3月25日までの間に、平成31年4月以降に同人との間で訪問販売により本件売買契約を締結した全ての相手方(以下「契約の相手方」という。)に対し、以下の事項を、同人に対して前記(1)の業務停止命令及び前記(2)の業務禁止命令並びに本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和2年4月27日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに文書(通知したことを証明するに足りる証票及び通知書面を添付すること。)により報告すること。なお、令和2年4月8日までに、契約の相手方に発送する予定の通知文書の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛て文書により報告し承認を得ること。
(ア)前記(1)の業務停止命令及び前記(2)の業務禁止命令の内容
(イ)本指示の内容
(ウ)同人は、遅くとも平成31年4月以降、訪問販売に係る本件売買契約の締結について勧誘をするに際し、実際には、本件商品には人工知能が搭載されていないにもかかわらず、あたかも、本件商品には人工知能が搭載されているため、その機能により、本件商品を使用してバイナリーオプション取引を行えば、取引により損失を受けたことから学習して再度同様の損失を繰り返すことがないかのように告げていること。

4 処分の根拠となる法令
特定商取引法第7条第1項及び第8条第1項

5 処分の原因となる事実
同人は、以下のとおり、特定商取引法に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、訪問販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。

(1)氏名等の明示義務に違反する行為(販売業者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)(特定商取引法第3条)
同人は、遅くとも平成31年4月以降、訪問販売をしようとするとき、その勧誘に先立って、その相手方に対し、「金が欲しいのであれば、投資とかやってみるといいかもよ。」、「今度、すごい稼いでいる人に会わせてやるよ。」などと告げるのみで、同人の氏名、本件売買契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにしていない。

(2)商品の性能につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項)
同人は、遅くとも平成31年4月以降、本件売買契約の締結について勧誘をするに際し、実際には、本件商品には人工知能が搭載されていないにもかかわらず、あたかも、本件商品には人工知能が搭載されているため、その機能により、本件商品を使用してバイナリーオプション取引を行えば、取引により損失を受けたことから学習して再度同様の損失を繰り返すことがないかのように告げている。

(3)迷惑勧誘(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第1号)
同人は、遅くとも平成31年4月以降、午後9時以降も、深夜に至るまで長時間にわたり勧誘を続け、その際、本件商品の購入意思を示さない消費者に対し、「すぐに始めないと商品がすぐになくなっちゃうよ。」、「借りてくりゃいいじゃん。」、「大丈夫だよ。みんなそうしてる。みんな返せている。」、「俺は半年もかからず返せた。」などと告げて執ように勧誘するなどして、訪問販売に係る本件売買契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をしている。

(4)顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第3号)
同人は、遅くとも平成31年4月以降、学生であり、投資経験がなく、月に平均して9万円程度又はそれ以下の収入しかなく、その他特段の財産もない消費者に対して、短期間に繰り返し取引をすることにより損失額が大きくなるおそれのある投資に関する、53万9000円と高額な本件売買契約の締結について勧誘し、もって顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行っている。

(5)売買契約の相手方に支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第6号イ)
同人は、遅くとも平成31年4月以降、本件売買契約の相手方に当該契約に基づく債務を履行させるため、当該相手方が本件売買契約に係る資金を学生ローン等の貸金業者から借り入れるに際し、実際を上回る収入額を貸金業者に対して申告するよう指示するなどして、訪問販売に係る本件売買契約の相手方の支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせている。

 

株式会社ライズに対する行政処分の概要(連鎖販売取引)

1 処分対象事業者
(1)名 称:株式会社ライズ
(法人番号:2010901044431)
(2)代 表 者:代表取締役 木村 直人(きむら なおと)
(3)所 在 地:東京都世田谷区池尻三丁目30番6号フェリーチェ池尻601
(4)資 本 金:100万円
(5)設 立:令和元年6月21日
(6)取引類型:連鎖販売取引
(7)取扱商品:「SC」と称するバイナリーオプション取引に係る学習用プログラミングツールが内蔵されたUSBメモリ及び「Latte」と称する当該ツールを稼働させるためのUSBメモリ(以下これらを併せて「本件商品」という。)

事業概要
株式会社ライズ(以下「同社」という。)は、紹介料を収受し得ることをもって、本件商品の販売をあっせんする者(以下「営業員」という。)を誘引し、その者と本件商品の購入を伴う本件商品の販売に係る取引を行っている。当該紹介料は特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第33条第1項に規定する特定利益(以下「特定利益」という。)に該当し、本件商品の購入は同行に規定する特定負担(以下「特定負担」という。)に該当することから、同社は特定商取引法第33条第1項に規定する連鎖販売業を行っている。

3 処分の内容
(1)取引等停止命令
同社は、令和2年3月26日から令和2年6月25日までの間、連鎖販売業に係る連鎖販売取引(特定商取引法第33条第1項に規定する連鎖販売取引をいう。以下同じ。)のうち、次の取引等を停止すること。
ア 同社の行う連鎖販売取引について勧誘を行い、又は同社が統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者(特定商取引法第33条の2に規定する勧誘者をいう。以下「勧誘者」という。)に勧誘を行わせること。
イ 同社の行う連鎖販売取引についての契約の申込みを受け、又は勧誘者に当該取引に係る契約の申込みを受けさせること。
ウ 同社の行う連鎖販売取引についての契約を締結すること。

(2)指示
勧誘者は、特定商取引法第33条の2に規定する氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)並びに同法第38条第1項第4号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号。以下「施行規則」という。)第31条第6号の規定に該当する連鎖販売取引の相手方の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行う行為及び同条第8号イの規定に該当する連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の相手方に当該契約に基づく債務を履行させるため、支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為をしている。かかる行為は、特定商取引法の規定に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、当該行為の再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築して、これを同社の役員及び営業員に、前記(1)の取引等停止命令に係る取引等を再開するまでに周知徹底すること。

4 処分の根拠となる法令
特定商取引法第38条第1項及び第39条第1項

5 処分の原因となる事実
同社は、以下のとおり、特定商取引法に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。

(1)氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)(特定商取引法第33条の2)
勧誘者は、遅くとも令和元年7月以降、本件連鎖販売取引をしようとするとき、その勧誘に先立って、その相手方に対し、「お金儲けについて、すごい人がいる。会って話だけでも聞いてみないか。」などと告げるのみで、統括者の名称、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにしていない。

(2)顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘(特定商取引法第38条第1項第4号の規定に基づく施行規則第31条第6号)
勧誘者は、遅くとも令和元年7月以降、本件連鎖販売取引の勧誘をしようとするとき、学生であり、投資経験がなく、月に多くとも9万円程度又はそれ以下の収入しかなく、その他特段の財産もない消費者に対して、短期間に繰り返し取引をすることにより損失額が大きくなるおそれのある投資に関する、53万9000円と高額な本件連鎖販売取引についての契約の締結について勧誘し、もって連鎖販売取引の相手方の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行っている。

(3)連鎖販売取引についての契約の相手方に支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為(特定商取引法第38条第1項第4号の規定に基づく施行規則第31条第8号イ)
勧誘者は、遅くとも令和元年7月以降、連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の相手方に当該契約に基づく債務を履行させるため、当該相手方が特定負担に係る資金を学生ローン等の貸金業者から借り入れるに際し、実際を上回る収入額を貸金業者に対して申告するよう指示するなどして、当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の相手方の支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせている。

 

株式会社ライズに対する行政処分の概要(訪問販売)

1 処分対象事業者
(1)名 称:株式会社ライズ
(法人番号:2010901044431)
(2)代 表 者:代表取締役 木村 直人(きむら なおと)
(3)所 在 地:東京都世田谷区池尻三丁目30番6号フェリーチェ池尻601
(4)資 本 金:100万円
(5)設 立:令和元年6月21日
(6)取引類型:訪問販売
(7)取扱商品:「SC」と称するバイナリーオプション取引に係る学習用プログラミングツールが内蔵されたUSBメモリ及び「Latte」と称する当該ツールを稼働させるためのUSBメモリ(以下これらを併せて「本件商品」という。)

2 事業概要
株式会社ライズ(以下「同社」という。)は、同社から本件商品を既に購入し同社から勧誘の委託を受けた者(以下「営業員」という。)をして、同社の営業所等以外の場所である喫茶店等において、本件商品の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結させていることから、このような同社が行う本件商品の販売は、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売に該当する。

3 処分の内容
(1)業務停止命令
同社は、令和2年3月26日から令和2年6月25日までの間、訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
ア 同社の行う訪問販売に関する売買契約の締結について勧誘すること。
イ 同社の行う訪問販売に関する売買契約の申込みを受けること。
ウ 同社の行う訪問販売に関する売買契約を締結すること。

(2)指示
同社は、特定商取引法第3条に規定する氏名等の明示義務に違反する行為(販売業者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)並びに同法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号。以下「施行規則」という。)第7条第3号の規定に該当する顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行う行為及び同条第6号イの規定に該当する訪問販売に係る売買契約の相手方に当該契約に基づく債務を履行させるため、支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為をしている。かかる行為は、特定商取引法の規定に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、当該行為の再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築して、これを同社の役員及び営業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。

4 処分の根拠となる法令
特定商取引法第7条第1項及び第8条第1項

5 処分の原因となる事実
同社は、以下のとおり、特定商取引法に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、訪問販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。

(1)氏名等の明示義務に違反する行為(販売業者の名称、勧誘目的及び商品の種類の不明示)(特定商取引法第3条)
同社は、遅くとも令和元年7月以降、訪問販売をしようとするとき、その勧誘に先立って、その相手方に対し、「お金儲けについて、すごい人がいる。会って話だけでも聞いてみないか。」などと告げるのみで、同社の名称、本件売買契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにしていない。

(2)顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘(特定商取引法第7条第1項第5号に基づく施行規則第7条第3号)
同社は、遅くとも令和元年7月以降、学生であり、投資経験がなく、月に多くとも9万円程度又はそれ以下の収入しかなく、その他特段の財産もない消費者に対して、短期間に繰り返し取引をすることにより損失額が大きくなるおそれのある投資に関する、53万9000円と高額な本件売買契約の締結について勧誘し、もって顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行っている。

(3)売買契約の相手方に支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせる行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第6号イ)
同社は、遅くとも令和元年7月以降、本件売買契約の相手方に当該契約に基づく債務を履行させるため、当該相手方が本件売買契約に係る資金を学生ローン等の貸金業者から借り入れるに際し、実際を上回る収入額を貸金業者に対して申告するよう指示するなどして、訪問販売に係る本件売買契約の相手方の支払能力に関する事項について虚偽の申告をさせている。

 

前田 朗に対する行政処分の概要

1 名宛人
前田 朗(以下「同人」という。)

2 処分の内容
同人は、令和2年3月26日から令和2年9月25日までの間、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)に関する業務のうち、次の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止すること。
(1)訪問販売に関する売買契約の締結について勧誘すること。
(2)訪問販売に関する売買契約の申込みを受けること。
(3)訪問販売に関する売買契約を締結すること。

3 処分の根拠となる法令の条項
特定商取引法第8条の2第1項

4 処分の原因となる事実
(1)消費者庁長官は、株式会社 i tec japan(以下「同社」という。)に対し、特定商取引法第8条第1項の規定に基づき、同社が行う訪問販売に関する業務の一部を停止すべき旨を命じた。
(2)同人は、同社の役員であり、かつ、同社が停止を命ぜられた訪問販売に関する業務の遂行に主導的な役割を果たしていた。

 

福島 裕基に対する行政処分の概要

1 名宛人
福島 裕基(以下「同人」という。)

処分の内容
同人は、令和2年3月26日から令和2年9月25日までの間、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)に関する業務のうち、次の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止する。
(1)訪問販売に関する売買契約の締結について勧誘すること。
(2)訪問販売に関する売買契約の申込みを受けること。
(3)訪問販売に関する売買契約を締結すること。

3 処分の根拠となる法令の条項
特定商取引法第8条の2第1項

4 処分の原因となる事実
(1)消費者庁長官は、株式会社 i tec japan(以下「同社」という。)に対し、特定商取引法第8条第1項の規定に基づき、同社が行う訪問販売に関する業務の一部を停止すべき旨を命じた。
(2)同人は、同社の役員であり、かつ、同社が停止を命ぜられた訪問販売に関する業務の遂行に主導的な役割を果たしていた。

 

木村 直人に対する行政処分の概要

1 名宛人
木村 直人(以下「同人」という。)

2 処分の内容
同人は、令和2年3月26日から令和2年6月25日までの間、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第33条第1項に規定する連鎖販売業に係る連鎖販売取引(以下「連鎖販売取引」という。)に関する業務のうち、次の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止する。
(1)連鎖販売取引について勧誘を行い、又は特定商取引法第33条第2項に規定する統括者がその統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者(特定商取引法第33条の2に規定する勧誘者をいう。以下「勧誘者」という。)に勧誘を行わせること。
(2)連鎖販売取引についての契約の申込みを受け、又は勧誘者に契約の申込みを受けさせること。
(3)連鎖販売取引についての契約を締結すること。

3 処分の根拠となる法令の条項
特定商取引法第39条の2第1項

4 処分の原因となる事実
(1)消費者庁長官は、株式会社ライズ(以下「同社」という。)に対し、特定商取引法第39条第1項の規定に基づき、同社が行う連鎖販売取引の一部等を停止すべき旨を命じた。
(2)同人は、同社の役員であり、かつ、同社が停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしていた。

 


該当する方は早めに専門家へ相談してください。
専門でないと、
「あきらめなさい」
「どうせ取り返せない」などと言われます。

 

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